活保護200万円 私費
公費で穴埋め 江戸川区職員

みずからのミスを上司に申し出ることができず、私費や公金を流用する形で本来、支給するはずだった生活保護費200万円余りを穴埋めしていたとして、東京・江戸川区の20代の男性職員が停職処分を受けました。聞き取りに対し「プライドが高く上司に言いだせなかった」と話していて、区は「ミスを言いだせる風通しのよい職場を作りたい」としています。

停職2か月の処分を受けたのは江戸川区内の福祉事務所でケースワーカーとして働いていた20代の男性職員です。

区によりますと、男性職員は、ほかの業務で生活保護費を支給するための事務手続きまで手が回らなくなり、支給のための財源に穴が生じ、これを穴埋めするために自分のボーナスなど私費130万円近くを、支給を申し出た区民に手渡していたということです。

さらに、私費だけでは足りず生活保護を受けている人の失踪や働き口が増えるなどすることで、区に返還された公金80万円近くを流用したということです。

ことし4月、人事異動で後任に引き継ぎを行ったことで発覚し、区の聞き取りに対して男性は「プライドが高く上司に言いだせなかった」と話しているということです。

男性が穴埋めを始めたのは区役所に入って2年目で指導担当の職員が離れ独り立ちして間もない頃だったということで、江戸川区は「チェック体制の強化のほか、ミスを言いだせる風通しのよい職場を作りたい」と話しています。