ム委員長立ち会いで火力
打撃訓練 国営メディア発表

北朝鮮は国営メディアを通じて、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと、9日、さまざまな長距離の攻撃手段を使った火力打撃訓練を行ったと発表しました。北朝鮮は、アメリカと韓国に軍事的な行動で対抗する姿勢を強めています。

北朝鮮の国営メディアは、10日朝、西部にある防御部隊がキム・ジョンウン委員長の立ち会いのもと、9日、火力打撃訓練を行ったと伝えました。

訓練では、さまざまな長距離の攻撃手段が使われたとしていて、公開された写真からは、移動式の発射台から飛しょう体がオレンジ色の炎を上げながら真上に打ち上げられているのが分かります。

ロシアの地対地短距離弾道ミサイルに形が似ていると指摘された飛しょう体を、今月4日に続いて再び発射した可能性があります。

韓国軍によりますと、北朝鮮は9日午後、北西部ピョンアン(平安)北道のクソン(亀城)付近から短距離ミサイル2発を発射していて、北朝鮮の10日朝の発表は、このことを指しているとみられます。

訓練で、キム委員長は「情勢に合わせて、戦闘の遂行能力をさらに高め、不測の事態にも主導的に対処できるよう、態勢を整えなければならない。国の真の平和と安全は、みずからの自主権を守ることができる強力な力によってのみ、担保される」と述べ、自衛のためだとする立場を示しています。

北朝鮮は、ことし3月と4月にアメリカと韓国が合同軍事演習を行ったことについて「挑発的な軍事訓練だ」と批判していて、軍事的な行動で対抗する姿勢を強めています。