元号の皇太子さまへの
事前説明 言及避ける

安倍総理大臣が来月1日に決定される新たな元号の複数の原案を事前に皇太子さまと面会し説明するとみられるなどと報じられたことについて、菅官房長官は、午前の記者会見で「承知していない」と述べ、面会するかどうかも含めて言及を避けました。

来月1日に決まる新たな元号をめぐって、政府による選定作業が最終段階に入る中、安倍総理大臣が29日に皇太子さまと面会し、新元号の複数の原案を説明するとみられるなどと一部で報じられました。

これについて菅官房長官は、午前の記者会見で「報道されている内容は承知していない。いずれにしても新たな元号は元号法に基づき内閣の責任において定めることになる」と述べ、安倍総理大臣が皇太子さまと面会するかどうかも含めて言及を避けました。

そのうえで菅官房長官は、記者団が「新元号の候補案や確定案を、閣議決定の前に天皇陛下や皇太子さまに伝えることは、憲法解釈上、許容されると考えるか」と質問したのに対し、「仮定の質問には答えを差し控える」と述べるにとどめました。

新元号の決定をめぐって一部の憲法学者からは「閣議決定の前に天皇陛下にお伝えするのは、天皇が元号の制定に関係したかのような印象を与え、国民主権という現行憲法の趣旨に反する」という指摘が出ているほか、皇太子さまへの事前連絡についても、「新天皇となるお立場を考えれば自制したほうがいい」という意見が出ています。