政府の措置ないため
訴訟起こすしかない」弁護士

太平洋戦争中の「徴用」をめぐり、日本企業に賠償を命じる判決が確定した裁判の原告側は、ほかにも日本で強制的に働かされた人が大勢いるとして、賠償を求める訴訟を新たに起こす必要性を訴えました。

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判で新日鉄住金に賠償を命じる判決が韓国で確定したことを受けて、テグ地方裁判所は先週、原告側が求めた新日鉄住金の韓国にある資産の差し押さえを認める決定を出し、9日、会社側に通知されました。

こうした中、ソウルでは原告側の弁護士などが討論会を開き、「新日鉄住金側と面会すらできない状況で待つことは不可能だと判断した」と述べて、新日鉄住金の資産の差し押さえ手続きを行ったと説明しました。

また、弁護士は、ほかにも日本で強制的に働かされた人が大勢いるとしたうえで、「日韓両政府による措置がないため、訴訟を起こすしかない」と述べ、今回の裁判に加わっていなかった人たちが新日鉄住金に賠償を求める訴訟を新たに起こす必要性を訴えました。

そのうえで、「太平洋戦争中、強制的に働かされた」とする少なくとも180人の韓国人やその遺族を対象にした説明会を今月25日にソウルで開くことを明らかにしました。

「日韓両政府と企業で財団つくって補償を」

同じく賠償判決が確定した三菱重工業を相手取った裁判の原告側弁護士も、9日の討論会に参加しました。

原告側は、会社側から賠償に関する協議に応じるとの回答がなければ、韓国にある資産の差し押さえ手続きに入る構えを示していましたが、討論会では「日韓両政府と企業で財団をつくって補償を進めていくべきだ」と述べました。