前原氏 新党「教育無償化を実現する会」結成を表明 国民民主党に離党届

国民民主党の前原代表代行は離党届を提出し、自身も含め5人の議員で新党「教育無償化を実現する会」を結成することを表明しました。

国民民主党の前原代表代行は、午後4時から、新党に加わる4人の国会議員とともに記者会見を開きました。

そして、30日に国民民主党に離党届を提出し、新党「教育無償化を実現する会」を結成して代表に就任することを明らかにしました。

前原氏は「今の国民民主党は『トリガー条項』の凍結解除にほとんどの体重をのせ、支持率が低い岸田政権と協力を模索する路線にある」と批判しました。

その上で「政策本位で非自民・非共産で野党結集を進め、政権交代の道筋を付けていきたい。今後、政策や理念を共有してくれる方々と連携していきたい。日本維新の会の馬場代表とはきのう会って少し話をした」と述べました。

新党は、教育の無償化や奨学金の返済免除などを掲げ、政策が近い日本維新の会などと連携を模索するものとみられます。

新党には、国民民主党から元滋賀県知事の嘉田由紀子 参議院議員が副代表として、斎藤アレックス 衆議院議員が政務調査会長として、それに鈴木敦 衆議院議員が国会対策委員長として加わるほか、無所属の徳永久志 衆議院議員も幹事長として参加します。

国民民主 緊急役員会で対応協議

国民民主党は、前原代表代行が離党する意向を固めたことを受け、午後1時からおよそ30分間、国会内で緊急の執行役員会を開き、対応を協議しました。

そして今後の対応について、玉木代表と榛葉幹事長に一任することを確認しました。

自民 森山総務会長「今後もいろいろな動きが続く」

岸田総理大臣は30日午前、自民党本部で麻生副総裁、茂木幹事長、森山総務会長、萩生田政務調査会長、小渕選挙対策委員長の党執行部のメンバー5人とおよそ30分間、会談しました。

出席者によりますと、国民民主党の前原代表代行が離党する意向を固め、新党の結成を検討していることが話題になり、今後の政治情勢への影響などについて意見を交わしたということです。

また自民党の森山総務会長は派閥の会合で「今後もいろいろな動きが続くと思うが、今は自民党と岸田政権にとって極めて大事なときだ。一致団結して政権を支え、自民党の将来を間違いのない方向に持っていくことが1番大事だ」と述べました。

維新 馬場代表「『教育無償化を実現する会』と協調」

日本維新の会の馬場代表は、記者会見で「いろいろな場面で前原氏とつきあいがあるので、いつとは言えないが、新党を考えていることは事前に聞いていた。前原氏は議員経験が長く、豊富な経験を持っていて、政策面ではずいぶん勉強している」と述べました。

また馬場氏は、「前原氏が結成する運びの『教育無償化を実現する会』と来年2月の京都市長選挙で協調していくと思う。われわれは、是々非々で各政党とつきあうことを基本原則で政治活動をしているので、前原氏の新党とも協調できる部分は積極的に協調していく」と述べました。

共産 志位委員長「新しいもの生まれない」

共産党の志位委員長は記者会見で「国民民主党と日本維新の会は、今回の補正予算に賛成し、憲法改定や原発推進の旗振りをしていて、自民・公明両党と同じだ。野党ではないので、野党が分裂しているという話ではない。『悪政4党連合』の中での離合集散にすぎず、新党結成で新しいものが生まれてくるようなことはない」と述べました。