出生数79万9728人 過去最少を更新 首相「危機的な状況」

去年・2022年に生まれた子どもの数は速報値で79万9000人余りと国の統計開始以来、初めて80万人を下回り、過去最少を更新したことが厚生労働省のまとめで分かりました。厚生労働省は「社会や経済の基盤が大きく変わる危機とも言え、関係省庁と連携しながら対策に取り組んでいきたい」としています。

厚生労働省によりますと去年1年間に生まれた子どもの数は外国人なども含めた速報値で79万9728人でした。

おととしより4万3169人、率にして5.1%減少し、1899年に統計を取り始めて以降、初めて80万人を下回り過去最少を更新しました。

出生数が減少するのは7年連続です。

国立社会保障・人口問題研究所が2017年に公表した予測では日本人の子どもの出生数が80万人を下回るのは2030年となっていて少子化が想定を上回るペースで進んでいます。

一方、去年1年間に死亡した人は速報値で158万2033人で、おととしより12万9744人増えて過去最多となりました。

また、結婚の件数は速報値で51万9823組で、5581組増えて3年ぶりに増加に転じ離婚の件数は速報値で18万3103組で4751組減少しました。

厚生労働省は出生数の減少について「結婚や出産、子育ての希望実現を阻むさまざまな要因が複雑に絡み合っているとみられる。社会や経済の基盤が大きく変わる危機とも言え、関係省庁と連携しながら対策に取り組んでいきたい」としています。

岸田首相 去年の出生数過去最少「危機的 反転へ政策具体化を」

岸田総理大臣は28日夜、総理大臣官邸を出る際に記者団に対し「出生数は7年連続減少しており、危機的な状況だと認識している」と述べました。

そのうえで「子ども・子育て政策は、未来に向けて最も大切で有効な投資だと言ってきた。少子化のトレンドを反転させるために、今の時代や社会に求められる政策を具体化し、進めていくことが重要だと改めて強く感じている」と述べました。