全国で相次ぐ強盗事件「捜査の真価問われる」警察庁刑事局長

全国各地で相次いでいる一連の強盗事件について、警察庁は事件との関係が疑われる1都2府11県の警察の幹部を集めた会議を開き、冒頭、渡邊国佳刑事局長が訓示しました。

この中で渡邊局長は「一連の事件は、国民の体感治安に直接的に大きく影響を及ぼすもので、2つの点を指示したい。1点目は、犯行グループの首謀者の検挙と事案の全貌解明で、これまで実行犯を多数検挙しているが、残る実行犯や上位の容疑者、特に首謀者の解明・検挙が必要だ。2点目は、幅広い情報の共有と迅速な捜査の推進で、強盗、窃盗、特殊詐欺などの各部門が連携し、垣根を越えた関連情報の収集、分析などにより、犯行グループを徹底検挙してほしい。一連の事件は、社会的反響が大変大きく国民の不安が高まっていて、警察捜査の真価が問われている。関係する警察が一丸となって強力な捜査を推進してほしい」と指示しました。

「ルフィ」名乗る人物 フィリピンの入管施設に拘束 比司法相

全国各地で相次いでいる一連の強盗事件で、実行役に指示を出していた疑いがある「ルフィ」と名乗る人物がフィリピンの首都マニラにある入国管理局の収容施設に拘束されていることが分かりました。

フィリピンのレムリア司法相はNHKの取材に対して日本の警察が「ワタナベ」という男を「ルフィ」と見ていることを認めました。

また、収容施設には「ルフィ」のグループのメンバーとみられる別の男も拘束されているということです。

レムリア司法相は今後、日本の捜査当局からの要請があれば男たちの身柄を強制送還するかどうか検討するとしています。

入管施設に以前収容された男性「全く不自由しなかった」

「ルフィ」と名乗る人物が拘束されている、首都マニラにある入国管理局の施設に以前、収容された60代の日本人男性は、施設の様子について、NHKの電話インタビューに応じました。

男性は現地に住んでいた2000年ごろ、フィリピンの入国管理局と滞在日数をめぐってトラブルとなり、この施設で数か月間、過ごしたということです。

男性によりますと、施設内では、職員に相場より高い金を払うなどして、酒やたばこのほか、携帯電話のプリペイドカードも買い求めることができたということで「外にいる友達とも連絡を取ることができ、全く不自由しなかった」と話しています。

また「施設の内部から外部に指示を出して犯罪に手を染めている人がいるという噂は昔からあった」と証言したうえで「当時から収容が建て前だけになっている状況があった。職員との距離の取り方によって、行動の自由度も高くなる」と指摘しました。

さらに「現在はインターネットを通じて金銭や情報の移動がすごく簡単になっている。犯罪者にとってはよりいい条件になってしまう」と話していました。