自民 薗浦衆院議員の秘書 “約4000万円を収支報告書に不記載”

自民党の薗浦健太郎衆議院議員の公設第1秘書が、東京地検特捜部の任意の調べに対し「複数の政治資金パーティーの収入およそ4000万円を収支報告書に記載していなかった」などと説明していることが関係者への取材で分かりました。
特捜部には、薗浦氏の政治団体が2019年の政治資金パーティーの収支を収支報告書に記載していない疑いがあるとする告発状が提出されていて、事実関係を慎重に調べているものとみられます。

自民党の薗浦健太郎衆議院議員の資金管理団体「新時代政経研究会」は、2019年に開いた政治資金パーティーの収支合わせて200万円余りを、政治資金収支報告書に記載していなかったとして収支報告書を訂正し、これについて去年9月、大学教授が政治資金規正法違反の疑いで、薗浦氏やこの団体の会計責任者を務める公設第1秘書の告発状を東京地検特捜部に提出しています。

その後、特捜部がこの秘書から任意で事情を聴いたところ、「複数のパーティーについて、総額4000万円の収入を報告書に記載していなかった」などと説明していることが関係者への取材でわかりました。

この秘書は、「報告書に収入を記載しないことは事前に薗浦議員にも報告していた」と説明しているということです。

特捜部は、ほかの事務所関係者などからも事情を聴いて、薗浦氏が把握していたかどうかを含め、収支報告書が作成されるまでの経緯を慎重に調べているものとみられます。

薗浦氏は、千葉5区選出で2005年の衆議院選挙で初当選し、安倍内閣で外務副大臣や総理大臣補佐官などを歴任しました。

現在は、衆議院法務委員会の筆頭理事を務めています。

自民 薗浦健太郎衆院議員「ずさんな処理」と謝罪【一問一答】

自民党の薗浦健太郎衆議院議員は、30日午後、議員会館の事務所で記者団の取材に応じ、政治資金パーティーの収支が収支報告書に記載されていなかったと指摘が出ていることについて「ずさんな処理だった」と謝罪したうえで、秘書から報告書に収入を記載しないという報告は受けていないと説明しました。

Q. 報道されたことの事実関係は。
A. ずさんな処理が明らかになり、お騒がせしていることを、まずおわびしたい。私自身のチェックが不十分であり、事務所として確認できる体制になっていなかったことは私にも責任がある。今後、専門家に依頼して、過去にさかのぼって収支報告書を精査し必要な対応をとりたい。

Q. 事前に秘書から「報告書に収入を記載しない」という報告は受けていたのか。
A. そういうことはない。いわゆる「過少申告」をしているという認識は私にはなかった。毎年、収支報告書を提出する時に「ことしの収支報告はこれです」と、2、3分くらいの報告を受けて「しかるべくよろしく」としていたのが、対応のすべてだった。個別のイベントの細かい収支までは見ずに全体の収支報告が書かれた、いちばん上の紙をチェックしていた。秘書に任せすぎだという批判に対しては、おわびするしかない。

Q. 過少申告自体は確認しているのか。
A. していない。私の手元には何もないので。

Q. 秘書から、過少申告の理由の説明はなかったか。
A. おそらく1人で全部やっていたので、ほかの秘書はさわっていないと思う。

Q. 2019年の政治資金パーティーの収入の不記載はどうして起きたのか。
A. 昼食会みたいな形で実施したので「パーティーと認識していなかった」と報告書を修正する時に聞いた。

Q. 裏金や不正ということではないのか。
A. 私がいま把握しているかぎりでは、流用などとは聞いていない。

Q. 公設第1秘書から、東京地検特捜部の聴取を受けているという報告は受けているのか。
A. 受けているというのは聞いているが、今、本人と連絡がとれない状況なので、何を聞かれているかはわからない。ことし、秘書から「政治資金の件で呼ばれている」という話があり、「素直に協力してくれ。洗いざらい全部、話をしてきれいにしてくれ」という話はした。秘書は、この1、2か月くらい出勤できる状況にないと伝え聞いている。

Q. 議員自身は任意での聴取は受けたか。
A. 何も受けていない。私のところに何も接触がない中で報道が出た。

Q. 自民党執行部に説明はするのか。
A. きちんと調べて、ある程度わかった段階で説明して指示を受けたい。

岸田首相「説明責任を果たしてもらわなければならない」

岸田総理大臣は参議院予算委員会で、「直接の報告は受けていないが、説明責任を果たしてもらわなければならないと強く思っている。まずは実態把握をしなければならず、党に対して指示を出したい」と述べました。

維新 藤田幹事長「ミスで済まされる額でない」

日本維新の会の藤田幹事長は、記者会見で「ご自身でしっかりと精査して説明責任を果たすことが必要だ。政治資金パーティーの収支で4000万円もの記載漏れは、ミスで済まされる額ではない。仮に意図的であれば極めて犯罪性も高く、真実をつまびらかにすべきだ」と述べました。

共産 穀田国対委員長「議員の資格ない」

共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「告発されて地検の捜査ということになり、議員の資格がないと言わなければならない。政治とカネの問題が尽きず、根幹をただすことが求められている」と述べました。