経済再生相に後藤前厚労相が就任 山際前大臣辞任受け

旧統一教会との関係をめぐって辞任した山際前経済再生担当大臣の後任に25日夜、自民党の後藤茂之・前厚生労働大臣が就任しました

旧統一教会との関係が相次いで明らかになっていた山際氏は、国会審議に影響を与えたくないとして、24日、経済再生担当大臣を辞任しました。

これを受けて、岸田総理大臣は、25日午前、自民党の後藤茂之・前厚生労働大臣を総理大臣官邸に呼び、山際氏の後任に起用する意向を伝えました。

岸田総理大臣は記者団に対し「補正予算、経済対策の取りまとめも目の前に控えている。政治経験の豊富さ、説明能力の高さ、経済・社会の変革に向けての情熱という3点を重視し、即戦力としてお願いすることにした」と述べました。

一方、後藤氏の起用にあたっても、旧統一教会との接点が確認されれば説明責任を尽くし、関係を断ってもらうという岸田内閣の方針は変わらないという認識を示しました。

後藤氏は、記者団に「経済対策や物価高騰対策、その後に続く補正予算、また、新型コロナや『新しい資本主義』への対応など、非常に重要な課題が山積しているので、早速全速力で取り組んでいきたい」と述べました。

そして、みずからは、これまで旧統一教会との関係がなかったと説明し、内閣の方針を順守していく考えを示しました。

後藤 新経済再生相「まずは総合経済対策の取りまとめに全力」

旧統一教会との関係をめぐって辞任した山際 前大臣の後任の後藤 新経済再生担当大臣は、25日夜記者会見し、物価高などに切れ目なく対応するため、予定どおり、週内に総合経済対策をまとめる考えを強調しました。

皇居での認証式を経て正式に就任した後藤新大臣は、岸田総理大臣から、新型コロナ対策など、山際前大臣と同じ職務にあたるよう辞令を受けたあと、合同庁舎に初登庁して、記者会見を行いました。

この中で後藤 新大臣は「まずは足元の物価高騰など、経済情勢の変化に切れ目なく対応していく。そのためには、予定どおり、総合経済対策の今月中の取りまとめに向けて全力で取り組む」と述べました。

また新型コロナ対策については「科学的知見が蓄積され、保健医療提供体制などの力も高まっている。国民の協力をいただきながら、社会経済活動と感染防止対策の両立に取り組みたい」と述べました。

一方で、みずからは旧統一教会との関係はないと重ねて強調したうえで「国民に対する説明責任を果たし政治の信頼回復に努めていく必要がある」と述べ、教会との関係をたつという内閣の方針に従って対応する考えを示しました。

自民 茂木幹事長「経済財政運営の司令塔として期待」

自民党の茂木幹事長は、記者団に対し「後藤氏は、経済財政政策に非常に明るく、全世代型社会保障やコロナ対策にも知見がある。経験や高い説明能力を生かして、経済財政運営の司令塔として活躍してもらうことを期待している」と述べました。

自民 高木国対委員長「経済政策に明るく適任」

自民党の高木国会対策委員長は、記者団に対し「後藤氏とは衆議院議員の初当選が同期で、人となりもよく知っているが、すばらしい人だ。厚生労働大臣を経験していたので、今回の担務にある新型コロナにも非常に詳しく、経済政策にも明るいので、まさに適任だ」と述べました。

岸田首相 政権運営を安定化させたい考え

国会開会中の山際氏の辞任について岸田総理大臣は25日、国会で陳謝したうえで「任命責任を重く受け止めている」と述べました。

岸田総理大臣としては、物価高などに対応するため今週まとめる総合経済対策や、旧統一教会への「質問権」の行使による調査を着実に実行に移すことなどで、政権運営を安定化させたい考えです。

こうした中、自民党は25日夜茂木幹事長ら幹部が会談し、会期末まで1か月半の国会では、今後も野党側が攻勢を強めてくるとの認識で一致し、結束して岸田総理大臣を支えていく方針を確認しました。

これに対して、立憲民主党の泉代表は「山際氏の『辞め際』は非常に悪いものだった。岸田総理大臣は、決断力が大きく問われ、国民を混乱させた」と批判しました。

野党側は、岸田総理大臣の任命責任は重く、旧統一教会と自民党との関係も依然不透明なままだとして追及を続ける方針です。

自民 立民 参院国対委員長会談 28日質疑で合意

辞任した山際経済再生担当大臣の後任に、自民党の後藤 前厚生労働大臣が起用されることを受けて、自民党と立憲民主党の参議院の国会対策委員長が会談しました。

この中で、立憲民主党の斎藤 参議院国会対策委員長は、25日の衆議院本会議と同様に、参議院本会議でも、岸田総理大臣による経緯の説明や質疑を行うよう求めました。

そして、協議の結果、今週28日に本会議を開き、岸田総理大臣と後藤 新大臣の出席を求めたうえで立憲民主党と日本維新の会、共産党、国民民主党が質疑を行うことで合意しました。

斎藤氏は、記者団に対し「山際氏の辞任が国政全体を混乱させていることを、もっと強く岸田総理大臣に認識してもらう必要がある。しっかり質疑をして必要な答弁をもらい、議論を進めたい」と述べました。