物価高騰 給食は安い食材に ソース・だし・キッチンも…

食材の仕入れ値が高騰する中、愛媛県西条市の給食センターは食材を安いものに切り替えるなどして対応しています。西条市は、給食費を据え置くために国の臨時交付金を活用する方針だということです。

西条市で7つの小学校と中学校に給食を提供している丹原給食センターによりますと、食材の仕入れ価格を去年の同じ時期と比べると、タマネギがおよそ2倍、なたね油がおよそ1.8倍に値上がりしています。

西条市の1食当たりの給食費は小学校が260円、中学校が300円ですが、給食センターは予算内に抑えるために食材を切り替えるなどの工夫をしています。

例えば23日の献立のハヤシライスは、使用する牛肉を生の肉から安い冷凍のものに変えたほか、豚肉も一緒に使っていました。

このほかのメニューでも、揚げ物に使う油の利用回数をこれまでの3回から4、5回に増やしたり、から揚げに使う鶏肉の部位をもも肉から安い胸肉に変更したりして対応しているということです。

丹原学校給食センターの山崎直子さんは「ほとんどすべてのものが値上がりしていて、今後も厳しい状況が続くと思います。献立の工夫をしたり、食材を考えたりしながら、おいしい給食を提供したいと思います」と話していました。

西条市は、給食費を据え置くために国の臨時交付金を活用する方針だということです。

「オタフクソース」今月から値上げ コスト削減に取り組む

広島市の食品メーカー「オタフクソース」は原材料価格の高騰や物流費の上昇で、今月からお好み焼きのソースなど、およそ300の商品を値上げしました。一方で、ソースを包む袋を僅かに薄くするなど、コスト削減にも取り組んでいます。

「オタフクソース」は、500ミリリットル入りの主力のお好み焼きのソースの販売価格を30円値上げして390円にするなど、6月1日からおよそ300の商品を5%から9%値上げしました。

この会社が、ソースなどの主力商品を値上げするのは7年ぶりです。

お好み焼きのソースは、トマトやリンゴ、ミカンなど、およそ50種類の原材料から作られていますが、そのほとんどが値上がりし、仕入れ費用は1年前と比べて、およそ15%上昇しているほか、国内の取引先に商品を配送する物流コストも、およそ10%値上がりしているということです。

このため会社では、コスト削減に取り組んでいて、1度に仕入れる量を多くすることで少しでも原材料価格を抑えようとしています。

さらに、一日に10万本生産するソースを包む袋の作り方を見直し、袋の接着面をミリ単位で小さくしたり、袋の厚さを僅かに薄くしたりしています。

オタフクソースの大内康隆広報部長は「購買や生産、物流において、いろいろな努力をしているが、今回の原材料高は想定以上になっている。取引先もコロナ禍で厳しい状況にある中で、ご迷惑をおかけしてしまうことは申し訳ない。一日でも早く原材料高が落ち着くことを望んでいる」と話しています。

味の素 塩製品やだしなど家庭用調味料51品目 10月から値上げへ

大手食品メーカーの「味の素」は、原材料価格の高騰などを受け、塩製品やだしなど家庭用調味料の一部を、ことし10月から値上げすることを決めました。

発表によりますと、対象となるのは、家庭用調味料のうち、塩製品と、だし、それに、コンソメ製品の合わせて51品目で、ことし10月1日の納品分から価格を引き上げます。

値上げ幅は、塩製品がおよそ2%から5%、だしがおよそ5%から12%、コンソメ製品がおよそ5%から7%で、主力製品の「ほんだし」は、2014年以来の値上げとなります。

理由について会社では、塩を海水から作る際に使う石炭の価格や、だしやコンソメに使うかつお節や乳糖といった原材料の価格が高騰していることに加え、包装資材や物流のコスト上昇が主な要因だとしたうえで、企業努力だけではコストの上昇分を吸収できなくなったためだとしています。

LIXIL トイレやキッチンなどの価格 9月から順次値上げへ

住宅設備大手の「LIXIL」は、アルミや銅といった原材料価格が高騰しているなどとして、トイレやキッチンの価格をことし9月の受注分から順次値上げすることを決めました。

発表によりますと、値上げするのはトイレやキッチン、洗面化粧台や玄関ドアといった住宅設備のうちの一部の商品です。

ことし9月の受注分から順次、希望小売価格の改定を進めるとしていて、値上げの幅は最大で27%になります。

このうち▽トイレは2%から14%程度、▽キッチンは5%から10%程度、▽床などに使用するタイルは10%から20%程度、値上げします。

会社では、ことし4月にトイレやキッチンなどの一部の商品で価格を引き上げていますが、今回対象となっているのはほとんどが別の商品だということです。

理由について会社では、ウクライナ情勢を背景としたアルミや銅、プラスチック樹脂などの原材料価格の高騰や円安の影響、それに海上輸送に伴う物流費が高止まりしていることなどを挙げています。

住宅設備メーカーでは、「TOTO」がトイレやキッチンなどの一部の商品でことし10月の受注分から価格を引き上げることにしていて、原材料価格の高騰を販売価格に上乗せする動きが広がっています。