日銀 黒田総裁 “値上げ許容”発言撤回「全く適切でなかった」

日銀の黒田総裁は講演で「家計の値上げ許容度も高まってきている」なとど述べたことについて、衆議院の財務金融委員会で「表現は全く適切でなかった」と述べ、発言を撤回しました。

黒田総裁は、6月6日の講演で「家計の値上げ許容度も高まってきているのは、重要な変化と捉えられる。日本の家計が値上げを受け入れている間に、賃金の本格上昇にいかにつなげていけるかが当面のポイントだ」などと述べました。

この発言について黒田総裁は、8日に開かれた衆議院の財務金融委員会で「家計が苦渋の選択として値上げをやむをえず受け入れているということは十分に認識している。誤解を招いた表現で申し訳ないと思っている」と、改めて陳謝しました。

そのうえで黒田総裁は「家計が値上げを受け入れているという表現は、全く適切でなかったということで撤回する」と述べ、発言を撤回しました。

この発言をめぐっては、原材料価格の高騰などを受けて物価が上昇する中、賃上げの必要性がより高まっているという文脈でのものでしたが、生活に欠かせない商品で相次ぐ値上げに直面している一般の消費者の状況を理解できていないなどという批判も出ていました。

前日も発言を陳謝「表現は適切ではなかった」

発言について、黒田総裁は7日夕方、記者団に対し「家計が自主的に、値上げを受け入れているという趣旨ではなく、むしろ家計としてはいわば苦渋の選択として、やむをえず値上げを受け入れているという状況だと思う。誤解を生じるような言い方は、表現は適切ではなかった」と述べました。

そのうえで「賃上げの必要性がより高まっているという文脈で申し上げたわけで、家計が自主的に値上げを受け入れているという趣旨ではない。誤解を招いた表現だったということで、申し訳ないと思っている」と述べ、陳謝しました。