“屋外で会話ほぼない場合マスク必要なし” コロナ対処方針変更

政府は、新型コロナ対策の基本的対処方針を変更し、マスクの着用について、屋外では、周りの人との距離がとれなくても会話をほとんど行わない場合は必要はないなどとする考え方を盛り込みました。

政府は、新型コロナウイルス対策本部を23日持ち回りの形式で行い、基本的対処方針を変更しました。

それによりますと、マスクの着用について、
▽屋内では、2メートル以上を目安に周りの人との距離がとれ、会話をほとんど行わない場合に、
▽屋外では、周りの人と距離がとれる場合や、距離がとれなくても会話をほとんど行わない場合には、
着用の必要はなく、特に夏場は熱中症予防の観点から外すことを推奨する考え方を盛り込みました。

また、学校では、体育の授業では必要はなく、部活動の際も体育の授業に準じるとしています。

そして、接触を伴う競技については、各競技団体が作成するガイドラインなどを踏まえて対応するとしています。

さらに、2歳未満の子どもは推奨せず、2歳以上で小学校入学前の子どもについても、保育所などでは、周りの人との距離にかかわらず一律には求めないとしています。

水際対策の緩和をめぐっては、来月1日から、流入リスクを総合的に勘案して国や地域を3つに区分したうえで、出国前検査を維持しつつ、一部の国や地域からの入国者に対し、入国時検査や入国後の自宅などでの待機を求めないといった見直しを行うとしています。

また、一日当たりの入国者数の上限は2万人とするとしています。

このほか、ワクチンの4回目接種は重症化予防を目的とし、3回目から5か月以上経過した、60歳以上の人と18歳以上60歳未満のうち、基礎疾患があるなど、重症化リスクが高いと医師が認める人を対象とすることも盛り込みました。

各地の反応 観光地では

金沢市の観光地では、23日も、ほとんどの人がマスクをしたままで、実際に人々の行動に反映されるまでにはまだしばらくかかりそうです。

23日、金沢市の観光地「兼六園」では、散策を楽しむ人のほとんどがマスクをしたままでした。

神奈川県から来た50代の女性は「ある程度人と距離を保てれば、外してもいいと思う。マスクをしての生活が長くなっているので、早く元に戻ってほしい」と話していました。
長野県から来た20代の男子大学生は「屋外で外すことは、熱中症の防止にもなるのでいいと思う。マスクをした状態しか知らない友人もいるので、外して顔が見れることで新しい発見があると思う」と話していました。
一方、静岡県から来た20代の男性は「感染が落ち着いていない状況なので、外すのはまだ早いかなと思う。マスクをすることが常識になっている」と話していました。
富山県から来た30代の男性は「外したい気持ちもあるが、小さい子どもがいるので、感染させないためにもしばらくはマスクを着けます」と話していました。

保育所からは歓迎の声

0歳児から5歳児までの139人が通っている京都市北区の「たかつかさ保育園」では、これまでも、▼子どもどうしが互いに表情を見ることで、コミュニケーションの取り方を考えたり、▼熱中症のリスクを避けたりする必要があるとして子どもにマスクの着用を求めてきませんでした。
一方、マスクを着用するかどうかはそれぞれの保護者の判断に委ねることとし、着用する子としない子とが同じ部屋で過ごす保育を続けてきました。

政府が公表した考え方について、池添鉄平 園長は「子どもどうしが口元が見えないことでコミュニケーションが取りづらくなるなど、マスクの影響を心配していたので、子どもの発達を考えるうえで望ましい方向に向いてくれたと思います」と話していました。