立民や共産など 難民認定の手続き改正の法案を国会に提出

日本の難民認定の基準は欧米と比べて厳しすぎるとして、立憲民主党などは有識者らによる独立性の高い委員会を新たに設け、国連機関のガイドラインを踏まえて審査することなどを盛り込んだ法案を国会に提出しました。

出入国在留管理庁によりますと、おととし日本で難民と認定された人の数は47人、認定率はおよそ1%で、人権団体などからは欧米と比べて認定の基準が厳しすぎるという指摘が出ています。

こうした中、立憲民主党や共産党などは難民認定の手続きを改正するための法案を参議院に提出しました。

法案では、審査にあたって政府からの独立性を確保するため、有識者らによる委員会を新たに設け、UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のガイドラインを踏まえて審査するなどとしています。

法案を提出した立憲民主党の石橋通宏参議院議員は、記者団に対し「ウクライナの人たちへの特例的な対応だけではなく、ミャンマーやアフガニスタンなどの人々も含め、国際基準に沿って、難民としてしっかり保護できる法的な措置が必要だ」と述べました。

「難民」と「避難民」

国際条約に基づく「難民」は人種や宗教、政治的意見などを理由にその国にとどまれば迫害を受けるおそれがある人たちで、本人からの申請に基づいて法務大臣が認定します。

「難民」に認定されれば、定住が認められ、永住許可の要件が緩和されるほか、年金や児童扶養手当、健康保険なども日本人と同じ条件で受けることができます。

難民を支援する団体などからは「日本は欧米と比べて認定の基準が厳しすぎる」といった批判があります。出入国在留管理庁は難民認定が少ない理由について、申請の中に、治安への不安や親族とのトラブルなど国際条約上の「難民」に該当しないものが多いことなどを挙げています。

他国からの軍事侵攻を理由に避難する人は日本では一般的に認定されません。ウクライナから日本に避難する人たちについて、政府は人道上の配慮から「避難民」として日本での在留を認めましたが、この「避難民」という言葉は、国際条約に基づく「難民」とは異なり、法律上の規定はありません。