外務省で入省式 林外相「人間力ある外交官になることを期待」

外務省の入省式が1日行われ、林外務大臣は、ウクライナ情勢などにより外交の役割が高まっているとしたうえで、大局的な視点から日本の行く末を考え、国際社会を主導する外交を展開してもらいたいと訓示しました。

外務省で行われた式には、新たに採用された150人余りの職員が参加しました。

この中で、林外務大臣は「現在、ウクライナで顕在化しているように、国際秩序が地政学的にさまざまな挑戦にさらされ、外交の役割が高まり、外務省に求められることも大きくなっている」と述べました。

そのうえで「大局的な視点から日本の進路や行く末を考え、単純な解が存在しない課題にも粘り強く向き合い、国際社会を主導する外交を展開してもらいたい」と訓示しました。

また、みずからのバンド活動の経験を踏まえ「ことばという、いわば楽器がなければ、外交という楽曲は演奏できない。語学力の研さんに努め、世界の人々と交わる中で、人としての魅力も身につけ、ことばにさらに重みを持たせられる人間力のある外交官になることを期待する」と激励しました。

防衛省入省式「常識や良識を超えた時代に突入」

また防衛省で行われた式には、新採用の事務官80人が出席しました。

岸防衛大臣はビデオメッセージで、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に触れ「国際平和の維持に大きな責任を持つべき国が、公然と他国の国土を踏みにじり、罪のない民間人の命を奪う事態が発生している。力による一方的な現状変更の試みは、ロシアのような侵略の形ではないにせよ、アジアでも見られており、国際秩序の根幹を揺るがす行為だ」と述べました。

そのうえで、「安全保障において楽観的な見方が通用しない、常識や良識を超えた時代に突入しているといっても過言ではない」と述べ、日本の防衛に責任を持つ立場として、国民の信頼を得ながら職務にあたるよう訓示しました。

防衛省は、新型コロナの感染拡大前は、事務官の入省式を、配属先にかかわらず東京 市ヶ谷の本省で行っていましたが、感染対策のため、ことしも全国におよそ150か所あるそれぞれの配属先で行いました。

内閣府入府式「広い視野と深い知見を」

また内閣府で行われた入府式には、この春採用された50人あまりの職員が出席し、代表して池本梨々花さんが、「国民全体の奉仕者として、日本国憲法を順守し、不偏不党かつ公正に職務の遂行にあたります」と宣誓しました。

続いて松野官房長官が訓示し、「新型コロナの感染拡大に加え、北朝鮮のミサイル発射やロシアのウクライナ侵略など、わが国を取り巻く環境は厳しさを増している。困難に直面しているからこそ立ちすくむのではなく、国民と協力しながら挑戦し、新しい日本をつくり上げていきたい」と述べました。

そのうえで、「複雑化する社会課題に機動的、効果的に対応するためには政府全体をふかんし政策を前に進めていくことが必要だ。内閣が機能を十分に発揮できるよう、広い視野と深い知見を育み、日々の業務に精励いただきたい」と激励しました。