保育所の休園急増で
保護者支える取り組みも

新型コロナの感染拡大で保育所やこども園の休園が急増する中、民間企業や自治体などによる、自宅で過ごす子どもや保護者を支援する取り組みが広がり始めています。

厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスに子どもや職員が感染し、全面休園となった保育所やこども園は、1月27日の時点で37都道府県の644か所に上るなど、1週間で2倍近くに増えて過去最多となり、突然の休園で仕事に行けなくなり、在宅勤務と育児の両立に苦労する保護者の支援が課題となっています。

こうした中、教育サービス大手のベネッセコーポレーションは、インターネットで動画を無料で流すサービスを始めました。

自宅でも、子どもたちが生活リズムを保てるよう午前10時から午後2時ごろまでリアルタイムで配信され「朝のあいさつ」や「ダンス」などの動画のほか、昼食の時間には「手洗い」や「歯磨き」を教える動画が配信されるようになっています。

この「オンライン幼稚園」のサービスは感染が拡大し始めた、おととし3月から5月にかけて配信されていたもので、休園の急増を受けて1月下旬から再び配信を始めたということです。

また、群馬県高崎市は、休園になった保育所の園児のうち濃厚接触者に該当しない園児を一時的に預かる託児所を今月上旬にも開設することを決めました。

市内の保育施設の空きスペースを活用し、それぞれの保育所で勤務できる保育士が対応に当たる予定だということです。

高崎市は「感染状況を見極めながら柔軟に対応していきたい」と話していました。

子育てアドバイザー “無理をしないことが大切”

子育てを支援するNPOの理事を務め、みずからも3児の母の「子育てアドバイザー」の高祖常子さんは「在宅勤務の場合は、一つ屋根の下で『職場の機能』と休園中の子どもの『保育機能』が混在することになりますが、人も増やさず全部を自分でやっていくのは絶対に無理です。そういう前提に立って、例えばシッターさんの手を借りるとか解決策を考えていくべきだと思います」と話し、保育園の休園で、急きょ在宅で子どもと過ごす際には「無理をしないこと」が大切だと指摘しています。

そのうえで、高祖さんは「どうやったら大変すぎないか、楽しく過ごせるかを考えてほしい。パパ友、ママ友とLINEで対策を相談したり、オンラインのコンテンツを利用して子どもに見てもらったり、いろんな人に相談して、いろんなコンテンツを活用するといいと思います」と話しています。