こども庁再来年度設置で調整
「中身のあるものにする」

「こども庁」の創設に向けて、野田少子化担当大臣は記者会見で機能や権限などについて時間をかけて十分な検討を行う考えを強調しました。政府は、再来年度に「こども庁」を設置する方向で調整を進めています。

この中で野田少子化担当大臣は「こども庁」の設置時期に関連して「時間ありきで早ければいいというわけではなく、しっかりとした中身のあるものにするために時間をかけていく」と述べ、機能や権限などについて十分な検討を行う考えを強調しました。

また「こども庁」の組織の在り方について「子どもに被害を及ぼすことがあれば強い力をもって止めることができるような、消費者庁のような権限が必ず必要だ」と述べ、関係省庁に対し、必要な勧告を行うことができる権限が必要だという認識を示しました。

政府は、与党とも協議したうえで、来年の通常国会に「こども庁」の創設に必要な法案を提出する方針で、再来年度・2023年度に設置する方向で調整を進めています。

「こども庁」基本方針原案 首相直属の機関として内閣府外局に

政府が創設を目指す「こども庁」の基本方針の原案が判明し、総理大臣直属の機関として内閣府の外局に位置づけ、担当大臣とこども庁長官を置き、令和5年度のできるかぎり早い時期に設置するとしています。

基本方針の原案によりますと、「こども庁」は総理大臣直属の機関として内閣府の外局に位置づけ、担当大臣とこども庁長官を置くとしています。

庁は3つの部門で構成し、このうち「企画立案・総合調整部門」は子どもや若者から意見を聴くなどして政策の企画立案に当たるほか、デジタル庁と連携して子どもや家庭に関するデータベースの構築を進めるとしています。

また「成育部門」は幼稚園や保育所などの教育・保育内容の改善などを担うとともに相談窓口や情報提供の充実に取り組むほか、「支援部門」は、虐待や貧困など困難を抱える子どもや家庭に対する包括的な支援に当たるとしています。

さらに、子どもに関する政策に充てる安定した財源の確保に向けて、企業を含め社会や経済の参加者全員が広く負担していく新たな枠組みを検討することも明記していて、「こども庁」を令和5年度のできるかぎり早い時期に設置するとしています。

自民 「こども庁」創設 具体的な議論開始へ

「こども庁」の創設に向けた自民党の会合が開かれ、野田少子化担当大臣は、政府の案に反映させるための政策の取りまとめを呼びかけました。

自民党は、加藤前官房長官が座長を務める会議で、近く具体的な議論を始めることにしています。

「こども庁」の創設に向けて政府は、年内に基本方針を定めたうえで、来年の通常国会に必要な法案を提出することにしていて、これを前に自民党は「こども庁」の創設などについて議論する、本部の初会合を開きました。

この中で、出席した野田少子化担当大臣は「子どもや親が迷って道を失うことがないように、皆さんの英知を集め『こどもまんなか』の政策を、主導的につくっていただきたい」と呼びかけました。

また、本部長を務める茂木幹事長は「子どもや若者に関する施策は、日本の将来そのものの議論だ。責任を持って議論し、結果を出すことができるのは自民党だという姿を示していきたい」と述べました。

そして会合では、加藤前官房長官が座長を務める「実現会議」で、近く具体的な議論を始めることを確認しました。