立民代表選 泉氏リードも
決選投票にもつれ込むか

11月30日に投開票が行われる立憲民主党の代表選挙は、これまでのところ、国会議員票で泉政務調査会長が最も多くの支持を固めています。
ただ、4人に支持が分散し、混戦が続いていて「地方票」を合わせても1回目の投票では、いずれも過半数には届かず、上位2人による決選投票にもつれ込む公算が強まっています。

立憲民主党の代表選挙は、今月30日の投開票に向けて、逢坂 元総理大臣補佐官、小川 国会対策副委員長、泉 政務調査会長、西村 元厚生労働副大臣の、4人による選挙戦が続いています。

今回の代表選挙は、
▼国会議員1人2ポイントの280ポイント、
▼国政選挙の公認候補予定者1人1ポイントの6ポイントに加え、
▼全国の地方議員と党員・サポーターがそれぞれ143ポイントの、
合わせて572ポイントで争われます。

NHKでは、国会議員や地方議員などに意向を確認したり、全国の各放送局を通じて都道府県連などに取材したりして、情勢を探りました。

これまでのところ、国会議員140人のうち、泉氏が最も多い40人程度を固める一方、小川氏、逢坂氏、西村氏は、20人台の議員から支持を得て混戦が続いています。
また、およそ20人の議員は、態度が明らかになっていません。

一方、地方議員と党員・サポーターの投票による、いわゆる「地方票」は、4人の候補が、それぞれの地元で支持を固めているほか、推薦人の議員の地元で一定の支持を集める見通しです。

ただ、国会議員などの投票と「地方票」を合わせても、1回目の投票では、いずれの候補者も過半数を獲得できず、上位2人による決選投票にもつれ込む公算が強まっています。

決選投票は、
国会議員が1人2ポイント、
公認候補予定者が1人1ポイント、
各都道府県連の代表者が1人1ポイントの合計333ポイントで争われ、国会議員票が全体の8割以上を占めることになります。

4人の陣営は、まだ態度を決めていない国会議員に働きかけを続けるとともに、来週29日に投票が締め切られる地方議員や党員・サポーターに対しても、ギリギリまで支持を呼びかけることにしています。

地方議員らは…

今回の立憲民主党の代表選挙でNHKが取材した地方議員などからは、目指す党の姿や、4人の候補への期待など、さまざまな声が聞かれました。

今回の代表選挙に対しては「4人の候補者が出たことで『立憲民主党も人材がいる』という印象を広げたい」「批判するだけというイメージを払拭(ふっしょく)してほしい」などと、党の立て直しの契機につなげたいと期待する声が上がっていました。

一方で「4人の主張が似通っていてぱっとしない選挙戦だ」といった冷めた見方や「内輪の選挙で党内の溝を顕在化させたくない」という声もありました。

また、代表選挙の争点の1つにもなっている、共産党などほかの野党との連携については「共産党などとの連携が衆議院選挙の大きな敗因だ」などと見直しを求める声の一方「与野党一騎打ちの構図に持ち込む方針は間違ってなかった」と評価する声も出ました。さらに「ほかの野党との連携がなぜ必要なのか、有権者に伝わっていなかったのではないか」という指摘もありました。

4人の候補者を支持する理由は…

▼逢坂 元総理大臣補佐官には、町の職員や町長を経て国会議員になった経歴から「地方を重視した政策の打ち出しを期待したい」などの声が聞かれました。
▼小川 国会対策副委員長には、衆議院選挙で自民党の現職閣僚を抑えて議席を獲得したことから「自民党批判の受け皿に最適な候補者だ」という意見がありました。
▼泉 務調査会長には、47歳と4人のうち最も若いことから「若い世代の新しいリーダーに期待したい」という声がありました。
▼西村 元厚生労働副大臣には、唯一の女性候補であることから「女性目線の政治の実現や女性議員を増やす旗振り役に期待したい」という声などがありました。

4人の候補者は26日も、さまざまな活動を展開して、みずからへの支持を訴えました。

逢坂氏 衆院選で落選の候補者と意見交換

逢坂 元総理大臣補佐官は、先の衆議院選挙で落選した候補者とオンラインで意見交換を行い、党の選挙戦略などについて意見を聞きました。
逢坂氏は「衆議院選挙で残念ながら苦杯をなめた皆さんから、将来への希望や不安について少しでも早く意見を聞きたいと思っていた。代表選挙も行われているが、必要なことなので、党の将来に向けて取り組んでいきたい」と述べました。

小川氏 地方議員に電話をかけ支援呼びかけ

小川 国会対策副委員長は、議員会館の事務所で、全国の地方議員に電話をかけ、みずからへの支持を呼びかけました。
小川氏は「地方議員には、厳しい党勢のもとでふんばってくれていることへの敬意と感謝の気持ちもあるし、党勢を上向かせて地方の議会活動をバックアップしていきたい。地方議員とはしっかり連携して、いい党運営をしていきたい」と述べました。

泉氏 ロボット開発企業と意見交換

泉 政務調査会長は、医療や介護を支援するロボットの開発を行っている企業の担当者と国会内で意見を交わし、ロボットによる介助を体験しました。
泉氏は「さまざまな課題に注目してもらえるように情報を発信し、現場から一緒に解決するリーダーを目指したい。地方議員や党員、サポーターの郵便での投票は締め切りが近づいているので、全力で訴えていきたい」と述べました。

西村氏 子ども支援団体と意見交換

西村 元厚生労働副大臣は、子どもの学習支援などに取り組むさいたま市の団体を訪れ、子どもの貧困の状況などをめぐって意見を交わしました。
西村氏は「現場を確認でき、有意義だった。聞いてきた声を実現するためにも、党のリーダーとして頑張っていく決意だ。残り期間は短いが、少しでも私の考えや思いを直接聞いてもらう場を作り、支援を広げていきたい」と述べました。