岸田首相とプーチン大統領
平和条約交渉の継続を確認

岸田総理大臣は就任後初めてロシアのプーチン大統領と電話で会談し、停滞している北方領土問題を含む平和条約交渉について、これまでの両国間の諸合意を踏まえ交渉を継続していくことを確認しました。また、対面での首脳会談を早期に行う方向で調整を進めることで一致しました。

岸田総理大臣とロシアのプーチン大統領との電話会談は午後5時半ごろから、およそ25分間行われました。

この中で岸田総理大臣は、停滞している北方領土問題を含む平和条約交渉について「平和条約締結問題を含め日ロ関係全体を互恵的に発展させていきたい。次の世代に先送りすることなくプーチン大統領とともにしっかりと取り組んでいきたい」と述べました。

これに対しプーチン大統領は「2国間のあらゆる問題に関する対話を継続していきたい」と述べ、両首脳は安倍元総理大臣とプーチン大統領による2018年のシンガポール合意を含め、これまでの両国間の諸合意を踏まえ交渉を継続していくことを確認しました。

また、岸田総理大臣は新型コロナの影響で見送られている元島民の航空機による墓参やいわゆる「ビザなし交流」について早期に再開したいという意向を示したのに対し、プーチン大統領は「引き続き協議していきたい」と述べました。

また、両首脳は、対面での首脳会談を早期に行う方向で調整を進めることで一致しました。

会談後、岸田総理大臣は記者団に対し「今後もプーチン大統領と会談を重ね信頼関係を構築しながら日ロ関係全体を前に進めていきたいと思っている。北方四島の帰属の問題を明らかにして平和条約を締結する政府の方針に変わりはない」と述べました。

また、就任後から行っている一連の首脳会談をめぐり「すでに会談を行っているアメリカ、オーストラリア、そしてロシアも大変重要な国だが、それ以外にも大切な国はたくさんある。この順番が厳密に何か意味があるというものはなく、それぞれ日本外交にとって重要な国だ」と述べました。