自民 臨時国会召集に応じず
“補正予算案編成 必要なし”

野党側が求めている来月上旬の臨時国会の召集をめぐって、自民党と立憲民主党の国会対策委員長が会談し、自民党は、予備費がすぐに不足する状況にはなく、補正予算案を編成する必要はないなどとして、応じられないという考えを伝えました。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、立憲民主党など野党側は、今年度予算の予備費が不足し、補正予算案の編成を急ぐ必要があるとして、自民党総裁選挙の前の来月7日から10日間の日程で臨時国会を召集するよう求めています。

これについて、自民党の森山国会対策委員長と立憲民主党の安住国会対策委員長が会談し、森山氏は、政府・与党で検討した結果、予備費がすぐに不足する状況にはなく、補正予算案を編成する必要はないなどとして、応じられないという考えを伝えました。

これに対し、安住氏は「憲法の規定に基づき臨時国会の召集をお願いしている中、甚だ残念だ」と述べ、持ち帰って、野党側で対応を協議する考えを示しました。

自民 森山氏「財務省から 12月まで予備費なんとかなると返事」

森山氏は、記者団に対し「財務省で精査したところ、12月まで予備費はなんとかなるのではないかという返事だったので、野党側から提案された速やかに開く臨時国会はお断りした」と述べました。

その一方で「おそらく今週中に、景気対応のための補正予算案を編成するよう指示が出るのではないか。われわれの任期は10月21日までなので、それ以降に予算案を審議する国会をお願いしなければならず、新しい選良によって開かれる国会で審議することになる」と述べました。

立民 安住氏 “森山氏の説明 全く納得できない”

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「与党側が国会召集に応じないのは大変残念だ。『このまま予備費も積み増さずに 何か起きたらどうするのか』と聞いたら、森山氏からは『何とかなります』と言われた。説得力に欠ける説明で、全く納得できない」と述べました。
立民 枝野代表「あまりに無責任」
立憲民主党の枝野代表は、記者会見で、野党側が憲法の規定に基づいて臨時国会の召集を求めてきていることも踏まえ「召集の要求に応じないのは、甚だしい憲法違反であると同時に、感染爆発と医療崩壊で命が失われている事態への対応が求められる中で、あまりに無責任だ」と述べました。

また、菅総理大臣が、近く二階幹事長を交代させる意向を固めたことに関連し「党内の権力闘争をやっていられる場面だと、自民党総体として考えていると受け止めざるをえない。今やらなくてはならないことは、与野党を超えて感染を抑え込むことに全力を尽くすことだ」と述べました。