【詳しくわかる】
自民党総裁選2021

総裁選挙の日程

今回の自民党総裁選挙の日程は9月17日告示、29日投開票です。

新型コロナウイルス対策のため全国各地での街頭演説会は実施を見送る一方、候補者が国民から直接質問を受け付けるオンライン形式の政策討論会を初めて開催します。


総裁選挙管理委員会によりますと、今月17日の告示日は午前中に立候補の受け付けを行ったあと午後に候補者による立会演説会を党本部で行うとしています。

また、20日に青年局と女性局が主催する討論会が予定され、新型コロナウイルス対策のためオンライン形式で実施するとしています。

そして、全国各地での街頭演説会は去年の総裁選挙と同様に実施を見送る一方、23日から4日間、新型コロナ対策や外交・安全保障、憲法改正などテーマ別に、候補者が国民から直接質問を受けて討論するオンライン形式の政策討論会を初めて開催することになりました。

政策討論会の質問は告示後に特設サイトで受け付け、抽せんで選ばれた人が当日、オンラインで参加する形式をとるということです。

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総裁選の仕組み 今回は“フルスペック”

安倍前総理大臣の辞任に伴う去年9月の選挙では実施されなかった党員投票が3年ぶりに行われる“フルスペック”の総裁選となります。

「国会議員票」と「党員票」は同数で、国会議員1人1票の「国会議員票」383票と、全国の党員・党友による投票で配分が決まる「党員票」383票の、合わせて766票で争われる見通しです。

「国会議員票」は9月29日に東京都内のホテルで投票が行われ、その場で開票されます。

一方、党員投票は党の規程では、去年までの2年間、党費を納めた党員に選挙権が与えられることになっていますが、3年前の総裁選挙と同様、今回も特例で、去年1年分の党費を納めた党員にも与えられます。

全国の自民党員は去年末の時点で113万人余りで、今回、投票できる党員もほぼ同数になるものとみられます。

投票は来月28日に締め切られ「党員票」は、各都道府県連が集計した得票数を党本部でまとめ、いわゆるドント方式で候補者に配分されます。

そして「国会議員票」と「党員票」を合わせて、有効票の過半数を得た候補者が当選となります。

1回目の投票で過半数に届かなかった場合、上位2人による決選投票が行われます。

決選投票は、国会議員票383票と、都道府県連に1票ずつ割り振られた47票の合わせて430票で争われます。国会議員票の割合が多くなることから、1回目の投票よりも、国会議員の支持をいかに取り付けられるかがカギを握ることになります。

【解説2021総裁選】
多くの派閥で候補者一本化 見送る方向

自民党総裁選挙は、岸田派以外の多くの派閥で、候補者の一本化が見送られる方向となっていて、立候補を表明した3人は党所属議員からの支持獲得に向けて取り組みを進めています。一方、野田幹事長代行は、立候補に必要な推薦人の確保に向けてギリギリの調整を続けています。

立候補を検討していた石破元幹事長は15日、自らの立候補を見送り、河野規制改革担当大臣の支援に回る考えを明らかにしました。

河野氏は知名度の高い石破氏からの支援によって、党員票の上積みにつながることに期待を示しています。

また、岸田前政務調査会長と高市前総務大臣はそれぞれ、党所属議員の事務所に足を運んだり、オンラインで支持団体の関係者と意見交換をしたりするなど、支持の拡大を図っています。

一方、野田幹事長代行は、立候補に必要な推薦人20人の確保に向けて、二階派や竹下派に加え、石破氏に近い議員にも協力を要請するなど、ギリギリの調整を続けています。

こうした中、党内の各派閥では、最大派閥の細田派が14日、一本化を見送ったのに続き、15日には石原派の幹部が自主投票とする方針を確認しました。

また谷垣グループは、岸田氏を支持することを決めました。

16日は、麻生派、竹下派、二階派がそれぞれ会合を開いて対応を協議する予定で、このうち麻生派は、派閥として支持するのは河野氏と岸田氏の2人とする一方高市氏を支持する議員も容認する方向です。

また、竹下派は、所属議員の意見が分かれていることから、各陣営に推薦人を出すことにしていて、支持する候補者の一本化は見送る方向で調整しています。

二階派は、1回目の投票は自主投票とし、決選投票になった場合は結束して行動する方向で調整を進めていて、16日の会合で対応を決めたいとしています。

このように、岸田派以外の多くの派閥では、候補者の一本化が見送られる方向になっています。

前回2020年総裁選は

安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党の総裁選挙は、菅官房長官(当時)、岸田政務調査会長(当時)、石破元幹事長の3人が立候補しました。

9月14日午後2時から、都内のホテルで党大会に代わる両院議員総会が行われ、国会議員と都道府県連の代表による投票が行われました。

総裁選挙は、394票の「国会議員票」と、47の都道府県連に3票ずつ割り当てられた141票の「地方票」の、あわせて535票をめぐって争われました。

開票結果は、あわせて発表され、有効投票534票のうち、▼菅氏が377票、▼岸田氏が89票、▼石破氏が68票をそれぞれ獲得し、菅氏が新しい総裁に選出されました。

このうち地方票について、投票先の決め方は各都道府県連に委ねられ、44の都府県連で党員などによる予備選挙が実施されたほか、3つの道県連では幹部らが協議して対応を決めました。

その結果、▼菅氏が東京や出身地の秋田、地元の神奈川など、10都道県でそれぞれ3票を確保するなど、地方票全体の63%にあたる89票を獲得しました。
▼石破氏は、地元の鳥取で3票、島根や高知など5県でそれぞれ2票を確保するなど、42票を獲得。
▼岸田氏は、地元の広島で3票、山梨で2票を確保するなど、10票を獲得しました。

【解説】前回総裁選とは

前回2020年の自民党総裁選は、国会議員票、地方票とも菅氏の圧勝だった。
国会議員票では、7つの派閥のうち5つから支持を受け、陣営では「緩み」を懸念する声も聞かれたが、結果的に7割以上を獲得した。
地方票は、党員投票は行われなかったが、大半の地域で予備選挙が行われ、菅氏は全国の広い地域で着実に票を積み重ねた。
菅氏としては、地方票でも6割以上を獲得したことで、安定した基盤で党運営が出来ると目されていた。

菅新総裁は、さっそく党の役員人事に着手し、菅氏を支持した5つの派閥から1人ずつ起用した。
二階幹事長と森山国会対策委員長を続投させたほか、総務会長に佐藤勉氏、政務調査会長に下村博文氏、選挙対策委員長に山口泰明氏を起用したのだ。

幹事長の二階氏と、国会対策委員長の森山氏は、菅氏が立候補を表明する前に会談した相手で、党内からは「支持した派閥に配慮したのではないか」という声が挙がった。

一方で、菅氏とすれば、二階氏や森山氏は、党運営や国会運営を信頼して任せられるという面もあると思われていた。
二階氏は安倍前総理大臣の総裁3選を主導し、党内を広く見渡して流れをつくるという技術にたけていると言われている。
また、森山氏は、与党側だけでなく、野党側からも一定の信頼があり、菅氏がそうした政治的な手腕を評価していることがうかがえた。

政策面では、新型コロナ対策と経済の立て直しが最優先だということは、一貫して変わらなかったが、菅氏が強調していたのがデジタル化を進めるための「デジタル庁」の創設だ。
省庁改革の象徴として、この時、法改正を目指す考えを明言していて、ことし9月に発足することになった。

これまでの総裁選「議員票」と「地方票」

〈2018年〉
2018年の総裁選挙は、総裁任期が「連続3期」に延長されて、最初の選挙となり「党員投票」が行われました。
党員投票による「地方票」は405票と、「国会議員票」と同じ数になり、いわゆるドント方式で各候補者に配分されました。安倍総理大臣が、石破元幹事長を破って3選を果たしました。

〈2012年〉
安倍総理大臣が再び自民党総裁に返り咲いた総裁選挙も、「国会議員票」199票と、党員投票による「地方票」300票の、合わせて499票で争われました。
1回目の投票では、石破元幹事長が1位になり、安倍氏は2位でしたが、石破氏をはじめ5人の候補者がいずれも過半数を獲得できなかったため、198人の国会議員による決選投票が行われた結果、安倍氏が石破氏を逆転して、新しい総裁に選出されました。

〈2009年〉
衆議院選挙に大敗し、麻生政権が退陣した後に行われた総裁選挙では、「国会議員票」199票と党員投票による「地方票」300票で争われました。
谷垣元財務大臣が、有効票498票のうち60%にあたる300票を獲得し、河野元法務副大臣と、西村前外務政務官を破って総裁に選ばれました。

〈2008年〉
福田総理大臣の任期途中での辞任表明を受けて行われた総裁選挙では、党大会に代わる両院議員総会で、党所属の国会議員と、都道府県連の代表が投票を行う形で、新しい総裁を選びました。
麻生幹事長が有効票525票のうち、3分の2にあたる351票を獲得し、与謝野元経済財政担当大臣や、小池元防衛大臣、石原元政務調査会長、石破元幹事長らを破って新しい総裁に選出されました。

※肩書きは当時