東京パラリンピック開会式
大会は9月5日までの13日間

新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京パラリンピックは24日夜、国立競技場で開会式が行われ開幕しました。感染拡大が続く中、障害のため重症化のおそれのある選手もいる大会を安全に開催できるかどうかが大きな課題となります。

1964年の東京大会以来、世界で初めて同じ都市で2回目の開催となる東京パラリンピックの開会式は、午後8時からメインスタジアムの国立競技場で無観客で行われました。
開会式のコンセプトは「WE HAVE WINGS」で、パラアスリートの姿は誰もが逆風に立ち向かう「翼」があることを気付かせてくれるという思いが込められています。

開会式には一般からの応募で選ばれた障害がある人など、さまざまな年代の人たちがそれぞれの特技を生かしたパフォーマンスを披露し、共生社会の実現というパラリンピックの理念が発信されました。
このあと、先頭の難民選手団に続いて世界の各国と地域の選手たちが日本語の50音順に入場行進しました。

開催国の日本選手団は最後に登場し、旗手を務める卓球の岩渕幸洋選手とトライアスロンの谷真海選手に続いて、およそ200人が入場しました。

そして天皇陛下が開会を宣言され161の国と地域、そして難民選手団による史上最多のおよそ4400人の選手が参加して22競技で競う大会が開幕しました。

クライマックスでは聖火リレーの最終ランナーとして今大会の車いすテニスで金メダルを目指す上地結衣選手がボッチャとパワーリフティングの2人の若手選手とともに太陽をモチーフとした聖火台に点火しました。

東京パラリンピックでは感染防止のためすべての会場が原則として無観客となった一方で教育的な意義を重視して学校連携観戦チケットによる子どもたちの観戦が認められています。

また、障害や基礎疾患のため新型コロナウイルスに感染すると重症化のリスクがある選手も参加することから、感染の封じ込めを徹底して大会を安全に運営できるが最大の課題となっています。

大会は9月5日まで13日間にわたって開催されます。

パラリンピック開幕 国立競技場の周辺は多くの人集まる

24日夜、東京パラリンピックの開会式が行われた東京 新宿区の国立競技場の周辺には、会場から打ち上げられる花火などを見ようと多くの人が集まりました。

パラリンピックの開会式が行われた国立競技場近くの歩道には、式が始まる午後8時には大勢の人が集まりました。

集まった人たちはスマートフォンで開会式の中継の様子を見ながら、競技場から花火が打ち上げられると拍手をしたり、撮影したりしていました。

周辺では警察官が「道の真ん中で立ち止まらず、端に寄ってください」などと呼びかけていました。

訪れた男性は「花火を撮影しようと思って来た。人が密集しているところもあるので、人混みを避けて写真を撮れればと思いました」と話していました。

近くの会社に勤める女性は「コロナ禍で開催するのかという意見もあるが、選手のためには開催できてよかったと思う。応援していきたい」と話していました。

また、会場近くで会社を経営する男性は「オリンピックの開会式の時よりは、人は少ないと思うが、急に人が集まると心配です」と話していました。

パラリンピック開会式 中止を求めるデモも

東京パラリンピックの開会式に合わせて、都内では24日夜、複数の市民団体などが大会の中止を求めるデモを行いました。

デモは会場の国立競技場から500メートルほど離れた東京 港区の路上で行われ、市民団体のメンバーなど合わせて50人余りが集まりました。

参加者たちは「パラリンピック中止」などと書かれた旗やプラカードを掲げながら「コロナ禍で命を危険にさらすな」などとシュプレヒコールをあげ、大会の中止を訴えました。

また、学校連携観戦チケットによる子どもたちの観戦についても「感染拡大につながるおそれがある」として抗議の声を上げていました。

一方、デモの最中に一部の参加者と警戒にあたっていた警察官がもみ合いになる場面もあり、警視庁によりますと、このうち1人が警察官の足を蹴ったとして公務執行妨害の疑いで逮捕されたということです。