ミャンマー軍 民主派勢力の
独自政府をテロ組織に指定

ミャンマー軍は民主派勢力が発足させた独自の政府や防衛隊をテロ組織に指定したと発表しました。民主派への取締りを強化するとともに、求心力の高まりを封じるねらいもあるものとみられます。

ミャンマー軍に拘束されたアウン・サン・スー・チー氏が率いる政党の議員らは軍に対抗するため「連邦議会代表委員会」を組織し、4月、独自の政府「国民統一政府」の発足を宣言してみずからが国民に選ばれた正統な政府だと主張しています。

また、5月5日には軍の弾圧から人々を守るためだとして「国民防衛隊」と名付けた部隊を結成したと発表しました。

これに対してミャンマー軍は8日夜、これらの組織が行政機構を破壊する爆弾テロや、放火、殺人、脅迫を多くの場所で引き起こしているとして、テロ組織に指定したと国営テレビを通じて発表しました。

ミャンマーではクーデターに抗議する集会やSNS上などで民主派勢力が立ち上げた組織への支持を表明する人々が多く見られ、求心力が高まっています。

ミャンマーの法律では指定されたテロ組織との接触も処罰の対象となります。

軍は、今回の指定により、民主派組織への取締りを強化するとともに、求心力の高まりを封じるねらいもあるものとみられます。

中国向けパイプライン関連施設 襲撃受ける

ミャンマー軍は、中部にある第2の都市マンダレーで5月5日、インド洋から中国に向けて天然ガスと原油を送るパイプラインの関連施設が襲撃され、警備していた治安部隊の隊員3人が死亡したと明らかにしました。

中国は国連の安全保障理事会でミャンマー軍への制裁に反対していることなどから、クーデターに抗議するミャンマー市民の間で軍を擁護しているとして反感が強まっていて、インターネット上では中国にとって重要な施設であるパイプラインへの攻撃が呼びかけられていました。

このため地元メディアは、中国がミャンマー軍に対してパイプラインの警備を強化するよう求めていたと伝えています。