横浜 高齢者ワクチン接種
予約電話つながりにくく

高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、横浜市では10日、2回目となる予約の受け付けが行われましたが、インターネットでの予約はわずか25分で埋まり、電話も終日、つながりにくい状態が続きました。

横浜市では、高齢者のワクチン接種について、今月3日から年齢別に順次、予約の受け付けを行っていて、1回目は今年度中に80歳以上になる34万人を対象に、7万6000人分の予約を受け付けました。

2回目の10日、まだ予約が取れていない80歳以上の人に、75歳以上の人を加えた45万人ほどを対象に、午前9時から電話とインターネットで受け付けを開始しました。

今回用意された予約枠は2万7000人分余りで、横浜市は、電話がつながりにくかったという前回の指摘を踏まえて、20回線増やして最大420回線とし、電話の予約枠を全体のおよそ半分にまで増やしました。

市によりますと、インターネットでの受け付けは予約枠が減ったこともあり、わずか25分ですべて埋まったということです。

一方、電話での受け付けは、終日、つながりにくい状態が続き、午後7時で終了しました。

10日は、午後6時の時点でおよそ2万5000人分が埋まったということで、11日は、午前9時から、残った枠について電話での予約を受け付けるということです。

次回は、今月17日の午前9時から8万2000人分の集団接種の予約を受け付けるほか、市内の13の医療機関での個別接種の予約も受け付けるということです。

横浜市の担当者は「予約が取りづらくご迷惑をおかけし、申し訳ない。段階的に接種規模が拡大していくので慌てず予約してほしい」としています。

また予約できず「もっと対策考えてほしい」

高齢者からは、電話や専用サイトにアクセスが集中し予約が取りづらいことに困惑する声が上がっています。

横浜市中区の菅沼利男さん(85)は、以前は毎日、老人ホームに入所している妻のもとを訪れていましたが、感染が広がってからは週に1度しか面会できない状況が続いています。

菅沼さんは妻に感染させないように、ふだんから人と接触しないようにしているということですが、ワクチンを接種することで妻と安心して会えるようにしたいと考えています。

菅沼さんは前回、今月3日の受け付けでは家族の助けを受けてインターネットと電話の両方で試みましたが、予約できませんでした。

10日も、受け付けが開始される午前9時の直前から固定電話やスマートフォンで電話をかけ始め、何度もかけ直しましたが「しばらくたってからおかけ直しください」などとメッセージが流れ、予約センターにはつながりませんでした。

インターネットでの申し込みにも挑戦しましたが、本人確認などに時間がかかり、その間に受け付けは終了してしまいました。

菅沼さんは「できるだけ早くワクチンの接種を受けたいのですが、電話がつながらず、1日仕事になってしまいます。説明の書類を読んでもインターネットでの申し込みは難しいので、もっと電話の回線を増やすとか、直接役所に行って申し込めるようにするなど、対策を考えてほしい」と話していました。