このうち、大分市は、市内に住む75歳以上で施設に入所していない高齢者およそ7万人に対する集団接種を、3か所に設けた専用の施設で始めました。
大分市片島にある「大分こども病院」の会場には、午前9時半の受付開始と同時に事前に予約した高齢者が訪れ、体温を測定したり、問診を受けたりしたあと、接種を受けていました。
全国的に新型コロナウイルスの感染確認者が再び急激に増加する中、感染防止に向けて、高齢者を対象にしたワクチンの接種や接種予約の受け付けが全国各地で本格的に始まりました。しかし、優先接種の対象となる高齢者およそ3600万人のうち、1回目のワクチン接種を終えた人は今月9日の時点で、まだ全体の1%未満にとどまっています。全国知事会は10日、ワクチン接種の加速化に向け医療従事者の確保へのあらゆる支援を行うことなどを求める国への緊急提言をまとめました。
新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては、2月から医療従事者などへの接種が進められ、先月12日からは今年度中に65歳以上になる高齢者への接種も始まりました。そして今月10日からは、全国各地で本格化しました。このうち、大分市は、市内に住む75歳以上で施設に入所していない高齢者およそ7万人に対する集団接種を、3か所に設けた専用の施設で始めました。
大分市片島にある「大分こども病院」の会場には、午前9時半の受付開始と同時に事前に予約した高齢者が訪れ、体温を測定したり、問診を受けたりしたあと、接種を受けていました。
和歌山県は自治体に1箱単位でワクチンを配分していて、北山村には今月2日に高齢者への優先接種のために1箱が届けられました。
中には975人が1回接種出来るだけのワクチンが入っていますが、人口がおよそ430人の村では16歳以上の接種希望者、およそ320人が2回接種しても余りが出るため、村は希望者全員に一斉接種を行うことを決めました。
10日は、村の診療所を事前に予約した住民たちが次々と訪れ、問診をうけたあとワクチンの接種を受けていました。
村によりますと、来月5日までに希望者全員が2回の接種を終える予定で、それでもまだ余るワクチンについては近隣の自治体に提供することなどを検討しています。
80代の母親と一緒に接種を終えた50代の男性は「村の外に出ることは少ないですが、親子で一緒に打てたことは大変ありがたいです」と話していました。
高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種の予約の受け付けも本格化しています。
どこの自治体でも電話とインターネットで予約の受け付けを行っていますが、インターネットに不慣れなお年寄りに代わって、市の職員が予約したり、アルバイトの大学生を配置してサポートしたりする取り組みも行われています。
埼玉県狭山市では、今年度80歳になる人を含む80歳以上のお年寄り、1万3000人余りを対象に、10日から電話とインターネットで予約の受け付けが始まりました。
市の職員が集会所などおよそ60か所に出向き、このうち前田集会所では職員が接種を受けたい医療機関や日時などを聞き取ってタブレット端末に入力していました。
訪れた90歳の女性は「予約のしかたが分からずワクチン接種をやめようかと思っていたので、ほっとしています」と話していました。
対応にあたった市の男性職員は、「ひとつひとつていねいに説明するなど親身になって対応したい」と話していました。
福島市では、市役所などにオンラインでの予約をサポートするアルバイトの大学生が配置されました。
大学生のアルバイトが配置されたのは、福島市役所の本庁舎と4つの支所です。
このうち、2人の学生が配置された本庁舎には午前11時までに70人以上の高齢者が訪れ、急きょ市の職員も手伝いましたが、対応しきれない状態となっています。
予約サイトはアクセスが集中してつながりにくい状態になっているため作業は滞り、多くの人が順番待ちのために待機していました。
予約の受け付けが始まった1時間半ほどあと、ロビーで待っていた80代の女性は「少しでも安心するためにワクチンを受けたいと思い、開始30分前から待っています。まだ1人も予約が終わっていないので驚いています」と話していました。
福島大学3年の金澤一輝さんは「少しでも高齢者の役に立ちたいですし、新型コロナウイルスの影響でアルバイトもなくなってしまったので参加を決めました。わかりやすく教えてあげたいです」と話していました。
新型コロナウイルスのワクチン接種について最新の実績が10日、政府からを公表されました。
医療従事者は全体の6割にあたる294万人あまりが1回目の接種を終えましたが、優先接種の対象となる高齢者およそ3600万人のうち、1回目のワクチン接種を終えた人は、9日までにまだ全体の1%未満にとどまっています。
埼玉県は、高齢者の新型コロナウイルスのワクチン接種を迅速に進めようと、来月1日から、さいたま市内に集団接種の会場を設置することを決めました。
集団接種の会場は、さいたま市浦和区の「埼玉県浦和合同庁舎」に設けるということです。
対象は、今年度65歳以上になる県内に住む高齢者で、市町村が配る接種券を持っていて、まだ接種を受けていない人としています。
期間は、来月1日から7月末までで、1日に最大700人の接種を想定し、期間中、およそ2万1000人に接種を目指すということです。
緊急事態宣言の延長などを受けて、全国知事会の会合が10日、開かれ、知事からは変異ウイルスの拡大を危惧する声が相次ぎました。
そして知事会は、簡単に再拡大しないレベルにまで感染を抑えることや、ワクチン接種の加速化に向け医療従事者の確保へのあらゆる支援を行うことなどを求める国への緊急提言をまとめました。
こうした中、県は症状がなくても感染している人を把握したいとして特に感染拡大が懸念されている広島市と福山市の10人以上の事業所で働くおよそ56万人を対象にした大規模なPCR検査を10日から始めました。
このうち、広島市の事業所、プロ野球「広島」では、職員や球場で働くスタッフのだ液を入れたおよそ1500人分の検体が集められ、県の担当者が回収に訪れていました。
検査の期間は地域によって異なり、福山市では今月19日から、広島市の西区など4つの区では今月20日から始まります。
検査は任意で、県は対象の半分のおよそ28万人が受けると見込んでいるということです。
検体を提出したアルバイトの男性は「自分も心配ですし、誰かを感染させてもいけないので受けにきました」と話していました。
プロ野球「広島」の松田一宏オーナー代行は「スタッフにもできるだけ検査に協力するよう呼びかけた。多くの人が集まる場所なので、陰性の確認ができたスタッフで運営していくことを一番にやっていきたい」と話していました。