川内原発1号機 運転開始
40年前に特別点検を検討

3年後に運転開始から40年となる鹿児島県にある川内原子力発電所1号機について、九州電力は運転延長に必要な「特別点検」の実施を検討すると発表しました。ただし最終的な判断は点検を踏まえて決定するとしました。

福島第一原発の事故のあと、原発の運転は原則40年に制限されていますが、原子炉や格納容器をチェックする「特別点検」などを実施したうえで、原子力規制委員会の審査に合格すると最長60年の運転が可能となります。

九州電力の川内原発では、1号機が3年後の2024年7月に、運転開始から40年となり、これについて九州電力の池辺和弘社長は、28日の会見で特別点検の時期や期間の検討を始める考えを明らかにしました。

ただし最終的な判断は「特別点検」を行ったうえで決定するとして、「現時点で実際に延長するか決まっていない」としています。

国は、原発の運転延長はエネルギーの安定供給と温暖化対策に必要として、自治体への新たな交付金を検討するなど後押しする考えで、きのう福井県が関西電力の3基の運転延長に同意し、今後、原発事故後初めて40年を超える原発が再稼働する見通しです。

塩田知事「運転期間延長の検証にしっかりと対応」

これについて鹿児島県の塩田知事は「川内原発の運転期間延長の検証にしっかりと対応できるよう、原子力安全・避難計画等防災専門委員会の委員構成の見直しなどの準備を進めてまいりたい」とするコメントを出しました。

また市民グループの川内原発建設反対連絡協議会の鳥原良子会長は、「20年の運転延長を考えているからこそ特別点検の検討を始めるのだと思います。原発の運転延長には反対を訴えたい」とコメントしています。