“44年かけ完了”福島第二
原発の廃炉計画認可 規制委

廃炉の方針が決まっている東京電力の福島第二原子力発電所について、原子力規制委員会は作業に着手してから44年かけて完了させるなどとする東京電力の廃炉計画を28日正式に認可しました。

福島県の福島第二原発について、東京電力は去年5月、1号機から4号機の原子炉4基の廃炉の工程をまとめた計画を原子力規制委員会に申請していました。

そして規制委員会は28日の会合で、計画の内容は妥当だとして、正式に認可しました。

それによりますと、廃炉は作業に着手してから44年かけて完了させるとしています。

また、使用済み燃料プールにある核燃料およそ1万体は、作業着手から22年かけて取り出し、再び燃料として利用するため再処理を行う事業者などに渡す方針です。

その間、新たに「乾式貯蔵施設」を作り一部の燃料を金属製の容器に入れて保管する計画も盛り込まれています。

このほか、廃炉で発生する放射性廃棄物はおよそ5万トンとし、核燃料の処理をのぞく費用の総額はおよそ2800億円と見積もっています。

福島第二原発は、事故を起こした福島第一原発からおよそ12キロ南にあり、東京電力は、地元福島県の意向などを踏まえておととし、廃炉にする方針を表明していました。

東京電力は今後、地元の了解を得たうえで作業に着手する時期を示すとしていて、福島第一原発の廃炉と同時に第二原発の廃炉を工程通りに進められるかが課題になります。

規制委 更田委員長「廃炉作業の遅れあってはならない」

原子力規制委員会の更田豊志委員長は、東京電力・福島第二原子力発電所の廃炉計画を正式に認可したことについて「規制委員会としては、福島第一原発の廃炉作業や柏崎刈羽原発の再稼働に向けた手続きが大変だからといって、福島第二原発の廃炉の手を抜くことを許すわけにはいかないし、いたずらに遅れるようなことがあってはならない。特に、使用済み燃料の扱いが大事なので、冷却が進んだものは速やかに搬出するか、乾式貯蔵施設に移していくことが重要だ」と述べました。