地方公務員法の条文にもミス
政府の国会提出法案

政府が国会に提出した法案にミスが相次いだ問題で、地方公務員法の改正案にも、ミスがあったことが新たにわかりました。

ミスが見つかったのは、地方公務員の定年を引き上げるための地方公務員法の改正案で、去年の通常国会に提出されたあと継続審議になっています。

総務省によりますと、ミスは2か所で、
▽法案で引用しているほかの法律の改正内容を反映していなかったために、条文の番号にずれが起きていたほか、
▽条項を列挙する際、「および」ということばでつなぐべき部分を、誤って読点でつないでいたということです。

また、参照条文などの参考資料にも、合わせて45件のミスがあったということです。

政府は、今の国会に提出した法案にミスが相次いだことを受け、各省庁で再点検をおこない、先月、全体の3分の1にあたる24の法案の条文などにおよそ130件のミスがあったことを公表していました。

総務省は再点検の際、地方公務員法の改正案については、去年提出した法案だったため点検が不十分だったとしていて、今回のミスは、今の国会で審議入りするのを前に、衆議院法制局がおこなった審査で明らかになったということです。

加藤官房長官「改めておわび 再発防止に取り組む」

加藤官房長官は、午後の記者会見で、地方公務員法の改正案にミスがあったことについて「全府省庁での再点検で、政府が国会に提出した法律案などの条文や参考資料の誤りが多数判明したのに加えて、条文の誤りが判明したことは極めて遺憾で、改めて国民の皆様におわびを申し上げたい」と陳謝しました。

そのうえで「政府全体でプロジェクトチームを発足させ、省庁横断的な解決方策の検討を進めている。今後、要因の分析を踏まえつつ、デジタル・ICT技術の積極的な活用による業務フローの見直しの観点も含めて検討を進め、6月中に取りまとめたい。再発防止に向けて政府一丸となって取り組んでいく」と述べました。

自民 森山国対委員長「チェック甘かったのか 遺憾」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「継続審議となっていた法案でチェックが甘かったのかもしれないが、今の国会では、いろいろな法案でこのような事態が発生していて極めて遺憾なことだ。非常に大事な法案なので、速やかな審議をお願いしなければならず、加藤官房長官からの説明はできるだけ早いタイミングで行いたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「行政に対する信頼が失われる」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「ちゃんとやっている役所を探すのが難しい状況になってきていて、ここまでミスがたび重なると、行政に対する信頼が失われる。法案を出し直す必要まではないが、加藤官房長官が議院運営委員会に来て政府として謝罪すべきで、そこからでないと始まらない」と述べました。

公明 竹内政調会長「非常に残念 対策を」

公明党の竹内政務調査会長は、記者会見で「あってはならず、非常に残念だ。政府には、原因究明と再発防止に向けて、しっかりと検証したうえで対策を講じてもらいたい」と述べました。