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「まん延防止」適用を決定

新型コロナウイルスの感染が再拡大している埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県に対し、政府は、来週20日から「まん延防止等重点措置」を適用することを決定しました。「重点措置」の適用は、10の都府県に拡大されます。

午後5時半すぎから、総理大臣官邸で開かれた政府の対策本部には、加藤官房長官や、西村経済再生担当大臣らが出席しました。

そして、感染が再拡大している埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県に対し、来週20日から来月11日まで「まん延防止等重点措置」を適用することを決定しました。

加藤官房長官は「今後も、各地で発生する感染拡大の波を、全国規模の大きな波にしないために、地域を絞った『重点措置』を機動的、集中的に講じ、感染を抑え込んでいく。2週間後には大型連休が控え、帰省や旅行などが多い時期となるので、改めて、感染拡大防止策の徹底の協力をお願いしていく」と述べました。

重点措置の対象地域は、
▽埼玉がさいたま市と川口市
▽千葉が市川市、船橋市、松戸市、柏市、浦安市
▽神奈川が、横浜市、川崎市、相模原市
▽愛知が名古屋市になる見通しです。

「重点措置」の適用は、東京や大阪など6都府県から、10の都府県に拡大されます。

政府は、感染の再拡大を抑え込むため、午後8時までの飲食店への営業時間の短縮要請や、イベントの開催制限、それに、不要不急の外出や感染拡大地域との往来の自粛の呼びかけなど対策を徹底する方針です。

加藤官房長官「実効性のある対策 講じていきたい」

加藤官房長官は対策本部のあと、総理大臣官邸で記者団に対し「午後8時までの飲食店への営業時間の短縮や、店舗の見回り、高齢者施設での定期的な検査、医療提供体制の確保など、時間や区域を絞って、実効性のある対策を講じていきたい」と述べました。

一方、記者団が「感染は大きなうねりになっているのではないか」と質問したのに対し「全国的な急速な感染拡大とならないようにという意味で、それぞれの都道府県に努力をいただいているし、国も一緒になって対応していきたい」と述べました。

また、分科会で奈良や福岡への対応も求められたことについて「それぞれの都道府県とは、地域の感染状況や対応について逐次意見交換し、情報と認識の共有化を図っており、引き続き、緊張感を持って都道府県とも連携を取りながら対応したい」と述べました。

そして、愛媛県が重点措置の適用を国に要請する検討に入ったことについて「これまでも各知事から要請があれば、速やかな検討を行ってきた。引き続き緊張感を持ちながら、当該都道府県ともよく連携し、必要な対策を機動的に行いたい」と述べました。

西村経済再生相 「変異ウイルス踏まえ 早めの対応」

西村経済再生担当大臣は、記者会見で、埼玉、千葉、神奈川、愛知への「まん延防止等重点措置」の適用について「指標だけ見ると少し早い『ステージ2』か『ステージ3』の間ぐらいで対応している。変異ウイルスが、大阪、兵庫で急増したことを踏まえ、知事とも相談し、また知事からの要請もあったので、専門家に諮って早めの対応をした」と述べました。

また、変異ウイルスの広がりに関連し「これまで感染しなかった濃厚接触者でも、感染が認められているので、これまで以上に基本的な感染防止策を徹底してもらいたい」と述べました。

また、西村大臣は、基本的な感染防止策のうちマスクの着用について、布マスクやウレタンマスクは、不織布のマスクより飛まつを防ぐ効果が低く、不織布のマスクをなるべく顔との隙間を空けずに着用し、肌が荒れる場合などは、布マスクの上に重ねて着けるよう呼びかけました。

自民 下村政調会長 「緊急事態宣言 検討を」

自民党の下村政務調査会長は、東京都内で記者団に対し「変異ウイルスの感染拡大などを考えると、飲食店に営業時間の短縮を要請するだけでは、十分な対応ができないのではないか。人の流れをできるだけ止めるなど、しっかりとした対策を講じる必要があり『まん延防止等重点措置』の中で追加策を行うか、場所によっては緊急事態宣言を再び出すことも考えるべきだ」と述べました。

経団連 古賀 審議員会議長「旅行や帰省 控えるよう促すべき」

経団連の古賀信行審議員会議長は記者団に対して「感染が拡大して1年。むやみに動くな、集まるな、とりわけ飲食を控えろという、いわゆる3密は耳に残っていると思うが、大きな声を出して呼びかければ伝わるという段階かというときつい」と述べ、政府や自治体は感染を防ぐための呼びかけをさらに工夫すべきだという認識を改めて示しました。

また、大型連休を控える中で求められる企業の対応について古賀議長は、「これまでの雰囲気だと遠方に長いバケーションに行くのが定番だが、ことしは控える流れを作っていくことではないか」として、不要不急の旅行や帰省などを控えるよう促すべきとの考えを示しました。