私立幼稚園連合会の問題
偽造通帳の写しを入手

「全日本私立幼稚園連合会」で、およそ4億円の資金が使途不明になっている問題で、NHKは昨年度決算の監査の際に連合会側に提出されていた偽造された銀行口座の通帳の写しを独自に入手しました。

偽造された写しには年度末などに各地の幼稚園団体などからたびたび振り込みがあったと記載されていますが、真正な記載とされる部分と比べると印字のフォントや記号の大きさなどが微妙に異なっています。

全国およそ7500の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」では今年度までの4年間で、およそ4億円の資金が使途不明になり、監査で使途不明金の存在が発覚しないようにするため、香川敬前会長や元事務局長らが関与して実際にはほぼ無くなっていた残高を大幅に水増しした複数の銀行口座の通帳を偽造していたことが明らかになっています。

一連の問題ではまず通帳の写しが偽造され、昨年度・令和元年度決算の監査の際に連合会側に提出されていましたが、NHKはその偽造された写しを独自に入手しました。

偽造された写しには年度末の去年2月から3月にかけて各地の幼稚園団体などからたびたび振り込みがあったと記載されていますが、真正な記載とされる部分と見比べると漢字や数字などの印字のフォントや記号の大きさなどが微妙に異なっています。

また、うその利息や振込手数料なども記載され真正なもののように装っています。

しかし、幼稚園連合会などによりますと、監査などで写しの記載に不審な点があることが分かり、写しではなく通帳の原本を提出するよう求めたところ、香川前会長らが関与して業者に依頼し、今度は、複数の口座の通帳の原本そのものを偽造していたということです。

関係者によりますと通帳の原本を偽造する際には、まず、連合会の口座と同じ銀行で新しい通帳を作り、印字のフォントをまねたうえで通帳の白紙のページにうその残高や利息などを打ち込んだということです。

そして真正な通帳の一部のページを差し替え、機械を使って縫い合わせる手口で通帳の原本を精巧に偽造したとみられるということです。

幼稚園連合会が銀行に実際の残高を確認するなどした結果、通帳が偽造されていたことが分かったということで、連合会は「非常に精巧で、指摘されなければどこが偽造されているのか分からないような手の込んだものだった」と説明しています。

連合会は今月11日に、香川前会長と元事務局長を業務上横領や通帳を偽造した私文書偽造などの疑いで警視庁に刑事告訴していて、偽造された通帳もすでに提出しているということです。

これまでのNHKの取材に対し香川前会長は「監査で通帳の写しではだめで、原本を見せろと言われたので知り合いの業者を紹介した。新しい通帳に数字を打ち込み入れ替えたんだと思う。通帳の偽造に加担したのは事実だが、私が主導したわけではなく個人的な資金の流用は断じてしていない」と説明しています。

連合会 非公開で総会開催 香川前会長に代わる新会長を選任

およそ4億円の資金が使途不明になっている「全日本私立幼稚園連合会」は30日、全国各地の幼稚園団体の幹部らを集めた総会を京都市内で開きました。

総会は非公開で行われましたが、関係者によりますと多額の使途不明金による損失などを盛り込んだ昨年度・令和元年度の決算や今年度の予算案が承認されたということです。

また、辞任した香川敬前会長の後任の新たな会長に田中雅道氏が選任され、田中氏は総会で「組織として生まれ変わるのが最大の課題だ」などとあいさつしたということです。