「全日本私立幼稚園連合会」で少なくとも4億円を超える資金が使途不明になっている問題で、前会長らを刑事告訴した連合会と関連団体の会長を務める河村元官房長官が記者会見し、連合会は「多額の資金が現金で引き出されており内部調査では限界がある。警察の捜査によってすべてを明らかにしてほしい」と述べました。

全国およそ7500の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」では今年度までの4年間で少なくとも4億円を超える資金が使途不明になっているほか、自民党の河村元官房長官が会長を務める関連団体の「全日本私立幼稚園PTA連合会」でも今年度、4100万円が使途不明になっていることが明らかになっています。

幼稚園連合会とPTA連合会は12日、記者会見し、香川敬前会長と口座を管理していた元事務局長を業務上横領や通帳を偽造した私文書偽造などの疑いで11日、合同で警視庁に刑事告訴したことを明らかにしました。

そのうえで刑事告訴した理由について幼稚園連合会の田中雅道会長代行と弁護士は「横領金額の全額返済で終わらせる案件ではないと判断した。多額の資金が現金で引き出されており内部調査では限界がある。警察の捜査によってすべてを明らかにしてほしい」と述べました。

また、PTA連合会の使途不明金について田中会長代行は「各都道府県の団体から去年7月から8月に会費が入ってきたが、その数日後にはお金が次々に消えていることが分かった」と説明し、河村氏は「連合会から報告を受けたが寝耳に水のことだった」と述べました。

幼稚園連合会によりますと、元事務局長は内部調査に対し「現金を引き出したのは香川前会長の指示だった」と説明し、香川前会長は「個人的な流用はしていない」などと話しているということです。

河村元官房長官「寝耳に水」

「全日本私立幼稚園PTA連合会」の会長を務める自民党の河村元官房長官は記者会見で「4100万円がなくなっているという現状は寝耳に水のことだった。全日本私立幼稚園連合会とは事務局が一体なので私も連名で刑事告訴させてもらった」と述べました。

また、河村氏は「念のため私が代表を務めている政治団体を5年間さかのぼって調査したが、政治資金の中に連合会からの寄付は一切記載されていなかった」と説明しました。