東北新社 外資規制違反の
可能性も認定取り消されず

総務省の幹部らに接待を行っていた衛星放送関連会社「東北新社」について、4年前に外資規制に違反している可能性が高くなったものの、衛星放送の事業認定が取り消されず、その後、子会社にその地位を継承していたことが明らかになりました。総務省は当時、違反しているという認識がなかったとしています。

これは5日の参議院予算委員会で立憲民主党の小西洋之氏の指摘を受けて、総務省が明らかにしました。

それによりますと、衛星放送の事業認定を受けるには議決権の外資比率が20%未満であることが放送法で定められていますが「東北新社」は4年前に認定を受けた2か月後に外資比率が20%を超え、規制違反の可能性が高くなったということです。

しかし「東北新社」は認定が取り消されず、半年後に子会社を新たに作ってその地位を継承していました。

小西氏は、総務省の幹部らが「東北新社」に勤める菅総理大臣の長男らから違法な接待を受けていたことも踏まえ「菅総理大臣の長男が働いている会社だったから認定を取り消さなかったのではないか。その後の子会社への継承は規制違反を脱法するための違法行為ではないか」とただしました。

これに対し、総務省の吉田情報流通行政局長は「当時、総務省として外資規制に違反しているという認識がなかった。地位の継承は、これまで想定していなかったケースなので対応について検討が必要だ」と述べました。

さらに小西氏が「放送行政をゆがめた事案で放送法の私物化だ」と追及したのに対し、武田総務大臣は「そういった事実は確認できていない。東北新社に確認してルールにのっとって必要な対応を取っていきたい」と述べました。

また総務省は子会社への地位の継承は当時、情報流通行政局長だった山田真貴子前内閣広報官が決裁していたことも明らかにしました。