“谷脇氏 会社側との会食
認める” 総務省が調査開始

衛星放送関連会社からの接待問題で懲戒処分を受けた総務省の谷脇総務審議官らが大手通信会社からも高額な接待を受けていたと報じられたことについて、加藤官房長官は、谷脇氏が会社側との会食への参加を認め、総務省が調査を開始したと明らかにしました。

衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男などからの接待問題に続き「週刊文春」は、先月24日に減給の懲戒処分を受けた総務省の谷脇総務審議官や内閣広報官を辞職した山田真貴子氏が総務審議官当時に、NTTの社長らからも高額な接待を受けていたと報じました。

これについて加藤官房長官は、午前の記者会見で「総務省が谷脇総務審議官などに事実関係を確認したところ、報道された会食への参加を認め、きのう付けで、総務省から人事院の国家公務員倫理審査会に調査を開始する旨の通知が行われたと承知している」と述べました。

そのうえで「総務省は迅速、正確かつ徹底して真相究明にあたってもらいたい」と述べました。

加藤官房長官「迅速、正確かつ徹底して真相究明を」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「総務省において谷脇総務審議官、巻口国際戦略局長に対し事実関係を確認したところ、報道された会食への参加を認めたため、きのう付けで、総務省から国家公務員倫理審査会に調査を開始する旨の通知を行ったところだ。総務省には迅速、正確かつ徹底して真相究明をしてもらいたい」と述べました。

また、加藤官房長官は、再発防止策について「先日の閣僚懇談会で、私から各府省に対し、すべての職員に改めて国家公務員倫理法と倫理規程の周知徹底をはかり、適正な運用に努めるよう発言し、杉田官房副長官も具体策を含め指示をしたところだ。改めて具体的な注意すべきことが出てくれば、徹底していきたい」と述べました。

NTT「コメント差し控える」

総務省の谷脇総務審議官らにNTTの社長らが高額の接待をしていたと報じられ、総務省が調査を始めたことについて「NTTも調査の対象となっていることから、現時点においてはコメントを差し控える」と話しています。

自民 竹下元総務会長「総務省の説明責任が大事」

自民党の竹下元総務会長は、記者団に対し「どういう状況で、誰が参加し、お金を払ったのかなど、これから明らかになってくる。国民も見つめているので、総務省がしっかり説明責任を果たしていくことが大事だ」と述べました。

立民 泉政調会長「全省庁対象の調査を」

立憲民主党の泉政務調査会長は、記者会見で「もしこれまでの国会答弁と事実が異なっていたならば、意図的な隠蔽になる可能性も十分あり、非常に責任は重たい。手間はかかるが、総務省、農林水産省と接待の問題が相次いで出てきたことを考えると、全省庁を対象にした調査を進めなければいけない」と述べました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「報道内容によると、常識を逸脱しているような接待なので、調査結果を早急に報告してほしい。結果が出しだい、予算委員会など国会の場で示してもらいたい。とにかく調査を急ぐよう求めたい」と述べました。

共産 志位委員長 「事態深刻 徹底的な真相究明を」

共産党の志位委員長は、記者会見で「谷脇総務審議官は、接待について『東北新社以外にはない』と国会答弁してきたが、国会でうそをついていたという問題になる。NTTとなれば、携帯の値下げという菅政権の看板政策をめぐって行政がゆがめられたのではないかという疑惑になり、非常に事態は深刻で、徹底的な真相究明に取り組んでいきたい」と述べました。

国民 玉木代表 「徹底的にうみを出すべき」

国民民主党の玉木代表は、記者会見で「総務省の調査は不十分だったということだ。所管する業界の関係者との飲食がどれだけあったのかを、もっと対象を広げて網羅的に調べ、徹底的にうみを出すべきだ」と述べました。