JR北海道やJR四国への
財政支援拡充へ 閣議決定

政府は、厳しい経営が続くJR北海道やJR四国などへの財政支援を拡充するための法律の改正案を、29日の閣議で決定しました。

不採算路線を多く抱えるJR北海道とJR四国は、新型コロナウイルスの影響で経営が厳しさを増していますが、法律に基づく国の財政支援が今年度で期限を迎えます。

このため、政府は、期限を延長し、支援を拡充するのに必要な法律の改正案をまとめ、29日、閣議決定しました。

改正案では、両社のすべての株式を保有する独立行政法人の「鉄道・運輸機構」が、追加で出資することや、両社の債務を新たに発行する株式と交換する「債務の株式化」を行うこと、それに、金融機関に返済する利子分を補助することが盛り込まれています。

このほか、両社の赤字を穴埋めするために運用されている「経営安定基金」が、一定の運用益を確保できるようにする支援や、青函トンネルや瀬戸大橋の改修費用の助成も行います。

こうした施策によって、政府は、JR北海道に来年度から3年間で1302億円、JR四国に5年間で1025億円の財政支援を行います。

今回の改正案には、北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業がさらに1年程度遅れて影響を受ける、福井県と石川県の並行在来線を運営する第三セクターに出資するなどの支援を行うことも盛り込まれています。

政府は、この法律の改正案をいま開かれている通常国会に提出し、成立を目指すことにしています。

赤羽国交相「これまで以上に踏み込んで支援」

赤羽国土交通大臣は29日の閣議のあとの記者会見で「観光資源や地域の足をどう守るのか、国か地域かではなく、一体でやっていくという思いでこれまで以上に踏み込んで支援をしていく」と述べ、支援を拡充する必要性を強調しました。