長射程ミサイル開発閣議決定
野党「敵基地攻撃能力」懸念

政府は、敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の開発を閣議決定しましたが、野党などからは、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有につながりかねないという懸念が出されていて、政府には、十分な説明が求められることになります。

政府は、18日、ミサイル阻止に関する新たな方針を閣議決定し、相手領域内でも弾道ミサイルなどを阻止する能力の保有には、直接、触れない一方、敵の射程圏外から攻撃できる長射程の巡航ミサイル「スタンド・オフ・ミサイル」を開発することを盛り込みました。

これについて、政府は、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有を目的としたものではないことを強調し、岸防衛大臣も「自衛隊員の安全をはかりながら相手を攻撃できる『スタンド・オフ・ミサイル』を持つことと、ミサイル阻止の方策は区別して考える必要がある」と述べ、理解を求めました。

ただ、護衛艦や戦闘機などからも発射できるようになれば、さらに射程をのばすことも可能で、明確な方針を示さないまま、事実上「敵基地攻撃能力」を持つことにつながりかねないという懸念も根強くあり、野党からは「専守防衛の考え方から逸脱する」という批判も出ています。

こうした懸念を払拭(ふっしょく)するため、政府には、「スタンド・オフ・ミサイル」の開発にあたって、目的や用途を明確にするなど、十分な説明が求められることになります。