速バス各社 換気徹底等
感染防止策強化し運行再開

新型コロナウイルスの影響で、運休が続いていた東京を発着する高速バス各社は、車内の換気を徹底するなど感染防止策を強化したうえで運行を再開する動きが進んでいます。

先月、緊急事態宣言が全国で解除されたことを受け、高速バス各社は1日から徐々に運行を再開しています。

このうち東京 新宿区の「バスタ新宿」と大阪や名古屋などを結ぶ7路線で再開した江東区の高速バス会社は、いわゆる「3密」を避けるため、車内の空気をおよそ5分で入れ替えられる換気機能の活用や、提供座席を半数に減らし、それぞれの座席に顔などを覆う使い捨てのフェースカバーを装着するなど、新たな対策を講じています。

1日朝は出発を前に、運転手が車内の設備点検を行ったうえで、エアコンの外気を導入するモードに設定するなどして出発していました。

この会社では全国各地の20路線、1日290便余りをすべて運休にしていましたが、感染状況などを踏まえ、今後も運行の再開を検討することにしています。

「WILLER EXPRESS」の広報担当の清家美帆さんは「再開にあたっては、移動が必要な人がいるので、感染対策をしっかりと行い安心安全な運行に努める」と話していました。

大型バスの換気機能

長距離を走る高速バスや観光バスでは、外気を取り入れるエアコンの「外気導入モード」を常時、フル稼働して運転するなど「3密」対策を進めています。

埼玉県川口市に本社がある中央交通が公表した大型バスの換気機能の実験では、車内に充満した白煙が排気口から吐き出され、およそ5分で車内の空気が入れ替えられました。

会社によりますと、これはすべての窓を開けた自然換気と同じ程度の換気能力だということで、高速道路の走行中や雨が降るなどして窓が開けられない状況でも、車内の「密閉」を回避できるということです。

このほか、バス各社では提供座席を減らして、乗客の間隔を空けて「密集」を避ける取り組みや、座席に使い捨てのフェースカバーを装着するなどして飛沫感染を防ぐ「密接」をなくそうという取り組みなども進められています。

一方、路線バスには、エアコンの「外気導入モード」はないということですが、乗降時のドアの開閉などで車内の換気を確保しているということです。

また、多くの路線バスでは、車両の前方に空気の取り入れ口や、室内の前後に排気口と換気扇などが設置されていて、車内の空気は窓をすべて閉めきった状態でもおよそ3分から5分で入れ替えることができるということです。

バス各社は、混雑時を避けた時差通勤に加え、マスクの着用や会話を控えめにすることなどを呼びかけています。