京から他県への移動
土日増加 観光戻り始めか

東京を含むすべての都道府県で緊急事態宣言が解除されて1週間がすぎ、都内からほかの県などに移動する人は増えたのか。携帯電話のビッグデータで分析した結果、東京に住む人でほかの道府県に移動した人は平日よりも土曜日と日曜日に増えていることが分かり、観光などを目的とした移動が戻り始めているものとみられます。

NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局の情報からプライバシーを保護した形で集めたデータをもとに、すべての緊急事態宣言が解除された先月25日からの1週間、都内に住む人でほかの道府県に移動した数が、前の週と比べてどう変化したのか推計し、分析しました。

分析したのは、人の移動がピークを迎える正午から午後4時までの人数です。

その結果、東京からほかの道府県へ移動した人の数の変化は、平日では6%の増加にとどまったのに対して、土日では、その2倍余りの13%の増加となりました。

土日に東京から移動した人の増加率を道府県ごとにみると、高い順に静岡県で19%、茨城県で18%、千葉県と栃木県で17%、山梨県で16%、京都府で15%、奈良県で14%など東京近郊や観光地で増えています。

データからは土日を中心に観光やレジャーなどを目的とした移動が戻り始めていることがうかがえます。

一方、政府は緊急事態宣言の解除のあとも、都道府県をまたぐ移動の自粛は段階的に緩和する方針を示していることなどから、東京からほかの道府県への移動が急激に増えることはなかったとみられます。