井案里議員陣営の事件
市議の自宅など捜索 地検

自民党の河井案里参議院議員の陣営による選挙違反事件で、広島地方検察庁が新たに広島市議会の議員や元議長の自宅などを捜索したことが関係者への取材でわかりました。検察は陣営の資金の流れについてさらに実態解明を進めるものとみられます。

河井案里議員が初当選した去年7月の参議院選挙をめぐって広島地方検察庁は陣営の資金が買収に使われた公職選挙法違反の疑いがあるとして、今月、自民党の複数の県議会議員の自宅や事務所を捜索するなど、資金の流れの解明を進めています。

この事件で、広島地検は23日、新たに広島市議会の沖宗正明議員の自宅を捜索したことが関係者への取材でわかりました。沖宗議員の弁護士は「コメントできない」と話しています。

また検察が21日、広島市議会の平野博昭元議長の事務所や自宅を公職選挙法違反の疑いで捜索していたこともわかりました。平野元議長は平成27年に引退するまで広島市議を8期務めていて、取材に対し「検察の聴取や捜索を受けたのは事実で、去年3月ごろ河井克行前法務大臣が訪れたが金銭の授受はありません」と話しています。

この事件では、少なくとも10人を超える県議会議員や市議会議員などが検察の任意の調べに対し、夫の河井前大臣から5万円から30万円などの現金を受け取ったと説明していることが明らかになっています。

検察は、陣営の資金が幅広い関係者に配られた可能性があるとみて、現金授受の趣旨などついてさらに実態解明を進めるものとみられます。