井参院議員陣営選挙違反
事件 複数の県議事務所捜索

自民党の河井案里参議院議員の陣営による選挙違反事件で、広島地方検察庁が公職選挙法違反の疑いで新たに複数の県議会議員の事務所などの捜索に乗り出したことが関係者への取材でわかりました。検察は、陣営の資金の流れについてさらに実態解明を進めるものとみられます。

河井案里議員が初当選した去年7月の参議院選挙をめぐっては、広島地方検察庁が、県議会議員や複数の市議会の議員などから一斉に任意で事情を聴くなどして陣営の資金の流れについて捜査を進めています。

広島地検は9日、陣営の資金が買収に使われた公職選挙法違反の疑いがあるとして、自民党の桧山俊宏県議会議員や渡辺典子県議会議員の広島市内の事務所などを捜索し、強制捜査に乗り出したことが関係者への取材で新たにわかりました。

去年の参議院選挙をめぐっては、検察の調べに対し、複数の県議会議員や市議会議員が夫の河井克行前法務大臣や案里議員から10万円から数十万円の現金を受け取ったと説明していることが明らかになっているほか、河井前大臣から現金20万円を受け取っていた広島県安芸太田町の小坂真治町長が9日付けで辞職しました。

広島地検は、9日の捜索で押収した資料を分析するなどして、陣営の資金の流れについて実態解明を進めるものとみられます。

NHKの取材に対し、桧山県議は、「金銭の授受について、捜査当局との間で認識の食い違いがあり、当局に主張している」と話しています。また、渡辺県議の後援会事務所は、「捜索を受けたことは事実だが、違法な金銭の受け取りは一切ない」とコメントしています。