東派遣の海自哨戒機部隊
活動始める

中東地域への自衛隊派遣で、第1陣として派遣された海上自衛隊の哨戒機の部隊が現地で活動を始めました。自衛隊が防衛省設置法の「調査・研究」に基づいて1年単位の長期間にわたり海外に派遣されるのは初めてで、今後、現地で情報収集活動にあたることにしています。

活動を開始したのは今月11日に日本を出発した海上自衛隊那覇航空基地のP3C哨戒機2機です。

哨戒機は、アフリカ・ソマリア沖で海賊対策の活動をしている部隊と交代するために派遣され、先月、閣議決定された中東地域への自衛隊派遣に基づき今回から新たに日本に関係する船の安全確保に必要な情報収集が任務に加わりました。

防衛省によりますと、派遣された哨戒機の部隊は、現地時間の20日午前、アフリカ東部のジブチにある拠点で、前任の部隊と交代し、活動を始めたということです。

哨戒機の部隊は機体の整備などを行ったうえで、21日から情報収集のための飛行を行う予定です。

今回は、防衛省設置法の「調査・研究」に基づいて1年単位の長期間にわたり海外に派遣される初めてのケースで、来月2日には護衛艦1隻も現地に向けて出港する予定です。

西村官房副長官「着実な任務実施を期待」

西村官房副長官は記者会見で、「中東地域の平和と安定は、国際社会の繁栄にとって極めて重要だ。また、国家の生存と繁栄の基盤である資源や食料の多くを海上輸送に依存しているわが国にとって、この海域の安全確保は、極めて重要な意義があり、着実に任務を実施することを期待している」と述べました。

河野防衛相「航行安全に努めたい」

河野防衛大臣は20日夕方、防衛省で記者団に対し、「アデン湾などは日本の重要なシーレーンなので情報収集活動をしっかりやり、船舶の航行安全に努めていきたい。中東の緊張は依然として高い状況にあると思うが、アメリカ、イラン双方が非常に自制的に行動している。必要な機材を装備し、訓練もしっかりできているので安全に気をつけてオペレーションしていきたい」と述べました。