国国会議長の法案は
旧日本軍の軍人・軍属も対象

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国国会のムン・ヒサン(文喜相)議長が提出しようとしている法案は、慰謝料の支払い対象を当時、「日本企業で働かされた」という人に加え、旧日本軍の軍人や軍属にまで広げる方針であることがわかりました。必要となる予算規模が膨らむことが予想され、実現するかどうかは不透明な状況です。

韓国国会の与党議員によりますと、ムン・ヒサン議長は与野党の一部の議員とともに、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題の解決に向けて法案の提出を目指しています。

法案は当初、慰謝料を支払う対象は「日本企業で働かされた」として、韓国の裁判で勝訴した原告などとなっていましたが、これに新たに旧日本軍の軍人や軍属を加えたということです。

その結果、支払いの対象が20万人近くとなり、必要な予算の規模が膨らむとの懸念が出ています。

一方、法案は財源について日韓両国の企業や国民から寄付を募って、「記憶・和解・未来財団」を設立し、韓国政府も運営費を拠出するとし、寄付は強制しないとしています。

ムン議長らは今月下旬の開催で調整されている、日韓首脳会談までに法案を提出することを目指すとしていますが、ムン・ジェイン(文在寅)政権は、これまで立場を明らかにしておらず、実現するかどうかは不透明な状況です。