岸田首相 ASEANとの首脳会議 処理水の安全性説明へ

岸田総理大臣は6日、ASEAN=東南アジア諸国連合との首脳会議などに臨みます。

自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた連携を呼びかけるほか、福島第一原発の処理水放出の安全性を説明し、理解をいっそう浸透させたい考えです。

5日からインドネシアを訪れている岸田総理大臣は、日本時間の6日午後、ASEANとの首脳会議に臨みます。

会議では日本とASEANの友好協力関係が、ことしで50年の節目となることを踏まえ、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて、インフラ投資や海洋、それにサイバーなど幅広い分野でのさらなる連携を呼びかけることにしています。

また岸田総理大臣は、福島第一原発の処理水放出について、会議や個別の首脳会談で安全性などの説明を尽くすとしていて、各国への理解のいっそうの浸透につなげたい考えです。

このほか岸田総理大臣は、ASEANと日中韓3か国の首脳会議にも臨みます。

処理水放出に反発を続ける中国は李強首相が出席する予定で、関連する言及があるのかが注目されます。

また日中首脳間の個別のやりとりがあるかも焦点です。

【解説】ASEAN首脳会議 日本側のねらいは

Q.日本側のねらいは?。

A.ねらいの1つは、処理水の海洋放出への理解を各国に広げることです。放出開始後、岸田総理の本格的な外交の舞台は今回が初めてです。

日本政府は、これまでの情報発信で国際社会の理解は着実に広がっているとしていて、ある政府関係者は「中国は声は大きいが、国際ルールを守っていないのがどこなのかは一目瞭然だ」と話しています。それだけに、岸田総理としては、各国首脳にみずから説明し幅広い支持を得ることで、中国の対応の軟化につなげたい考えです。

李強首相も出席する予定のASEANと日中韓3か国の首脳会議を念頭に、別の政府関係者は「中国側が海洋放出への批判を展開すれば岸田総理はただちに反論する」と話していて、あくまで科学的根拠に基づいて、きぜんとした姿勢で臨む考えです。

政治部記者
田尻 大湖
平成16年入局。千葉局、広島局を経て政治部へ。その後、札幌局デスクを経て、現在、政治部官邸クラブ。