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夜中に地震が起きた時の注意点 防災士・戸部アナが解説!

4月18日 「ぶんドキ」で放送  NHKプラスで4月25日午後7時まで見られます
  • 2024年04月19日

 

4月17日午後11時14分ごろに発生した地震では、高知県と愛媛県で震度6弱の揺れを観測したほか、大分県内では佐伯市と津久見市で震度5弱の揺れを観測しました。
今回のように、夜中に大きな地震が起きた時、何に注意するべきか。防災士の戸部アナウンサーが解説します。

画像をクリックすると 「ぶんドキ」の見逃し配信が見られます 
【4月25日(木)午後7:00まで】

地震発生から14分 自宅からスタジオ出演までの経緯

地震が発生した4月17日午後11時14分ごろ、私は自宅で横になっていました。
そのとき、スマートフォンから緊急地震速報を知らせる大きな音がして飛び起き、間もなく、体が左右に揺さぶられ、そうした横揺れが15秒ほど続きました。

大分市の震度は4。まずは自分と家族の安全確認です。
妻と小さな子どもたちの安全を確認し、棚から物が落ちたり、食器が割れたりすることがなかったことも確認できました。
何よりも、子どもたちがすやすやと眠り続けていたことに、ほっと胸をなでおろしました。

安全が確保できたところで、職場に向かいます。
急いでパジャマからスーツに着替え、夜中の街に、防災行政無線の大音量のアナウンスがとどろく中、自転車で大分放送局に向かいました。
道中、信号はついていて、救急車両のサイレンの音も聞こえませんでした。

午後11時22分。放送局に着いて、4階のスタジオに向かいました。
2年前の1月、大分市で震度5強を観測した深夜の地震でも、同様に、自宅から放送局に向かいましたが、当時は、放送局のエレベーターは止まっていました。
そのため、息を切らして4階まで駆け上がったことを覚えていますが、今回、幸運にもエレベーターを使うことができました。
息を乱すことなく、4階に到着して、すぐにスタジオに入り、放送に備えました。
そして、午後11時28分、スタジオから、一報を全国に向けてお伝えしました。
2年前の地震で同じような経験をしていたおかげで、今回は前回以上に落ち着いて対応できたと思います。
経験の大切さを感じました。

地震発生から14分後 大分放送局のスタジオ

夜中に起こる県内での大きな地震

実は、このところの県内の主な地震は、いずれも夜中に発生しています。

では、夜中に地震が発生した際、どんなことに気を付ければよいのか。

➀寝る場所に倒れやすいものを置かない

ポイントを3つに分けてお伝えします。

まずは、揺れる前の対策として
➀「寝る場所に倒れやすいものを置かない」。

8年前(2016年)の熊本地震で震度6弱を観測した由布市湯布院町の住民の部屋の写真です。

大きなタンスが倒れています。
もしこの部屋で寝ていたらと考えると・・・恐いですよね。
夜中は多くの人が寝ている時間帯です。

寝る場所には、倒れやすいタンスや本棚、テレビなどを置かないか、
あるいは、転倒防止の器具でしっかり固定しましょう。

➁落ち着いて行動する

2つ目は、「落ち着いて行動する」ことです。
今回の地震や、2年前の地震でも、私は揺れた瞬間、パニックになりました。
自分のこと、家族のこと、仕事のことを瞬時に、一気に考えなければならず、頭の中がぐちゃぐちゃになりました。

夜中の大きな揺れで、パニックになった方がいたかもしれません。
暗い中、慌てて行動すると、転んだり、階段を踏み外したりするなど、けがをすることがあります。
落ち着いて行動することがなにより大切です。

2年前の地震では、停電も発生しました。
枕元に懐中電灯やスマートフォンを置いておき、その明かりで身の回りや足元の安全を、まず確認するようにしてください。

➂スリッパを履いて、足を守る

3つ目は「スリッパを履いて、足を守る」。
2年前の地震では、佐伯市などで震度5強を観測し、食器やガラスなどが割れる被害が相次ぎました。
同じく震度5強の揺れを観測した大分市にある私の家でも、茶わんが割れて、台所に散乱しました。

暗い中で慌てて行動すると、割れたものを踏んでけがをすることがあります。
そんなときに役立つのがスリッパです。

寝る場所にこうしたスリッパを用意しておいて、家の中を歩くときは、スリッパを履いて、足を守りましょう。

地震はいつ起きるかわかりません。
今回の地震をきっかけとして、ご自宅での備えを見直してみてください。

  • 戸部眞輔

    NHK大分 アナウンサー

    戸部眞輔

    災害報道に携わる中で、防災についてもっと深く、詳しく、わかりやすく伝えていきたいと思い、令和3年に防災士の資格を取りました。

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