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名古屋で愛され進化する「小倉トースト」金子紗也のグルメ紀行

  • 2024年04月11日

「食は地域の文化とともにあり!」
いまや“名古屋めし”代表のひとつとなっている「小倉トースト」。どのように生まれ、どう進化を遂げているのか?!名古屋歴3年目、モーニング大好きなワタクシ金子紗也が探ってきました!
(NHK名古屋 「まるっと!」リポ―ター 金子紗也)

小倉トースト 発祥はおよそ100年前

まずは小倉トーストの発祥をよく知るという店へ。
名古屋で最も古い商店街、「円頓寺商店街」にある、昭和8年(1933年)創業の老舗喫茶店です。
メニューの「元祖・小倉トースト」をさっそく注文すると…。

元祖・小倉トースト

なんだか見慣れないビジュアル。
あんこをトーストにのせるでもなく、添えるでもなく、「はさむ」スタイルです。
なかなか見慣れませんが、この「はさむ」スタイルこそが、代々守ってきた「元祖」なんだそうです。

3代目店主 舟橋和孝さん

3代目店主の舟橋和孝さんいわく、小倉トーストが生まれたのは大正時代。この喫茶店の初代店主が働いてたお店で誕生したんですって。
気になるきっかけは、なんと学生がパンをぜんざいに浸して食べていたこと!

いまや地元の人たちにとってなくてはならない存在になっている小倉トースト。
当時の学生さんに感謝ですね。

名古屋だからこそ広まった?!

それにしても、100年ほど前に誕生したグルメが、なぜこんなにも名古屋で広まったのでしょうか?いろんな説が考えられるそうです。

① 説その1:「あんこだったから」

尾張徳川家のもと、茶の湯文化とともに和菓子の文化が発展してきた名古屋。もともとあんこになじみが深い地域だったから、という説。

② 説その2:「小倉あんが高級だったから」

当時使われていた「小倉あん」は、ふつうのあんこよりも材料費や手間がかかり、高価なものでした。だからこそ、高級なものがすきな名古屋の人たちに受け入れられたのでは?という説もあるそうですよ。

それぞれの店でユニークなアレンジ

いまでは名古屋のほとんどの喫茶店で、バリエーション豊かな小倉トーストが楽しめます。
中には、名古屋の喫茶店文化、「鉄板」と掛け合わせたものや…。

愛知が全国に誇る、「西尾の抹茶」とコラボしたものも。

小倉トーストへの「愛」が、ついに記念日に!

そんな小倉トーストを愛してやまない人がいると聞き、やってきたのは北区の「大曽根商店街」。

小倉トースト普及委員会委員長 高野仁美さん

小倉トーストの普及を通して喫茶店文化を盛り上げることを目的に結成された「小倉トースト普及委員会」。委員長の高野仁美さんです。
県内外の喫茶店と一緒になって活動をすすめた結果、なんと!

「愛する小倉トーストの日」が制定されたんです!
「9月10日=0910=オグトー(小倉トーストの略)」。
…なんだかむりやりな気もしますが、名古屋から新たに記念日が誕生したのは喜ばしいですね!

組み合わせは無限大!

高野さん曰く、小倉トーストの定義は2つ。間口は広いようです。
1. あんこを小麦製品にのせたりはさんだりしたもの。
2. 名古屋の食文化や喫茶店からインスパイアされたもの。

高野さんの店でも「週替わり小倉トースト」を提供。
これまでおよそ30種類のメニューを考案してきました。

バタークリームの小倉トースト

この日いただいたのは「バタークリームの小倉トースト」。見た目はほとんどバタークリーム。…あんこはどこに?!

中に、ちゃんと粒あんがたっぷり入っていました。
これはれっきとした「小倉トースト」ですね!
食べてみると…。

もち米をつかったサクサクもっちりのトーストに、みずみずしいあんこ。
バタークリームは予想外に軽い口あたりで意外にも主張しすぎず、計算しつくされたバランスの良さにびっくり!

パンにバターにあんこ。
シンプルだからこそ「可能性は無限大」なのが、小倉トーストの魅力なんですね。
店をめぐって食べ比べをするもよし、ちょっとディープな喫茶店に飛び込んでみるもよし。
小倉トーストの世界に、どっぷり浸かってみてはいかがでしょうか?

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