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すべてお見通し!家康の陣 関ヶ原「天下分け目」は「線路分け目」③

  • 2023年12月20日

大河ドラマ「どうする家康」関ヶ原の戦いにちなんでお伝えしてきたシリーズの最終回。
今回のテーマは、“徳川家康の陣地”です。この陣を訪ねてみると、家康がいかに優れた武将だったのか実感することができました

ロマン感じる陣地にて

山の先端、古戦場に向かって突き出したような位置にある『徳川家康最初陣地』。階段状になった道を上っていくと。。。

徳川家康最初陣地

到着です。

それほど広くはないのですが、ここに立った途端に『なるほど!!』と納得しました。 

家康はすべてお見通し!

家康の陣地跡に立つと、心地よい(私には。。。)走行音が聞こえてきます。

家康陣地跡から見る 東海道本線  

東海道本線の複線がすぐそばに。ほかにも国道があり、背中の方向には名神高速道路と東海道新幹線と、ここを通って東西を行き来する交通が「ギュッ」と集まっている場所、それを見渡せるところにある陣地だとわかります。

今回のシリーズでは、古戦場を行く鉄道に見られる珍しい動きとして 

▼姿を消す「しらさぎ」

▼まるで「謀反」のように怪しい動き(?)を見せる列車

をご紹介しました。
どちらも、見えにくく、わかりにくい、動きなんですが、、、この家康の陣地に立つと。

「逆走(?)に見える列車」の姿も、ご覧のようによーく見えます。
バレバレです。

新垂井線も関ヶ原に姿を表した瞬間に見える

「消える『しらさぎ』」(下り列車)も、白い車体が向こうにバッチリ見えます。

この『しらさぎ』を目で追っていくと、“線路分け目”と名付けた分岐点まで見通すことができます。
なお、この関ヶ原を行く鉄道風景は「まるっと!×鉄旅」で味わうことができますので、ぜひ!!

関ヶ原への人の往来を押さえるところに陣地を、というのはもちろん、不穏な動きまで「すべてお見通し」のこの場所。令和の時代になってもなおそれを感じさせるこの位置取りは、さすがというしかありません。この陣地の効果もあってか、関ヶ原の戦いは徳川側が勝利をおさめます。 

家康の先見の明(?)はさらに!!

「関ヶ原の戦い」のあと、家康が石田三成と対面したとされるのが、滋賀県の「大津城」。
『どうする家康』では、松本潤さんと中村七之助さんの息詰まるやりとりが交わされたシーンで、ご記憶にあるかもしれません。

大津城跡

その大津城は廃城となり、現在はこのように、観光船のりばや広場となっています。びわ湖も見渡せるこの地で、家康はなにを思ったのかと、思いをはせてみてはいかがでしょうか。
そして、この大津城跡付近では、全国でもここにしかない、特殊な電車が見られます。

京阪京津線「びわこ浜大津」駅付近

最寄り駅・京阪京津線「びわこ浜大津」駅を出発する電車。
路面電車??としては大きく1両の長さが16.5m!!
これは、名古屋の地下鉄東山線の車両(15.5m)よりも長いんです。 

しかも、4両編成ですから、編成全体では60m以上!!これが道路の真ん中を行き、車と並走する、日本でもここでしか見られない珍しい併用区間です。
ちなみに、この電車、このまま地下鉄に直通し、京都の中心部とを結んでいます。以前に「まるっと!×鉄旅」名鉄犬山線で、鉄道と自動車が共用していた時代の「犬山橋」をご紹介しましたが(現在は鉄道と道路は分離)こちらは、大津では、普通に見られる光景です。

『どうする家康』は最終回を迎え、来年は『光る君へ』が放送されます。源氏物語で知られる紫式部の物語です。実は、大津は「紫式部が源氏物語の構想を練った」とされる石山寺など、紫式部や源氏物語とゆかりある場所のひとつ。

大津城跡とは同じ沿線にありますので、『どうする家康』のおさらいと『光る君へ』の予習が一度にできてしまいます!!

まさに、次の大河ドラマを見越していたかのような、家康の動き(笑)
みなさんぜひ大津へお越しください。

(私の現在の勤務先、大津放送局へも歩いて行けますよ!)
 

  • 別井敬之

    NHK大津 アナウンサー

    別井敬之

    「NHKラジオ鉄道大博覧会」「東海道新幹線開業50周年・まるごと新幹線」「BS鉄道ファン倶楽部」「夢のSL記念館」「SL復活C571よ永遠に」など鉄道番組多数。時刻表検定取得。愛読書は時刻表(中型全国版)の"乗り鉄"。東海地方のJRは乗り尽くし完了。 2023年度からは大津局勤務。「おうみ発630」キャスター。

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