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別井アナの「伊賀越え」(鉄路で) 最大の難所は「滋賀越え」⁉

まるっと鉄旅番外編 【前編】
  • 2023年10月13日

 

アナウンサーの別井敬之です。「どうする家康」お楽しみいただいていますか?
家康の人生三大危機のひとつ「伊賀越え」。「三方ヶ原からの敗走」は、静岡局勤務の際に番組で実際に歩いたことがある私。ならば「伊賀越え」も、自らの脚で確かめてみようと思い立ったのです。
ただし、鉄道で。

大河ドラマ「どうする家康」番組スタッフが取材でたどったというコースで進めることにしました。
それによると。

飯盛山西麓にて、家康に信長横死を知らせる。
・・・
議論の末、海路を捨て「伊賀越え」を選択。枚方から進路を東にとる。

なんと、わが故郷・枚方から「伊賀越え」は はじまったとは!

JR学研都市線(片町線)津田駅

「尊延寺」へ向かったということなので、最寄りのJR学研都市線(片町線)津田」駅から『鉄道で伊賀越え』スタート。
線路は山を迂回しているため、家康一行のルートの方が実はショートカットなのです。
JR学研都市線で、次のポイントに向かうため「京田辺」駅へ。

改札を出ると、地元も「伊賀越え」を盛り上げています!

目指した先はここ。「京田辺」駅から歩くこと30分ほど。

草内の渡し場跡(京田辺)

 

ここで渡し船に乗り木津川を渡った家康一行。石碑を目にすると、なんだか急にその時代に身を置いたような気分になります。
よし!一路、宇治田原をめざすぞ!
しかし、この経路を行く鉄道はないのです。。。

草内の渡しから先に鉄路はない・・・

待てよ。
家康一行のルートに沿って、宇治田原方向に2キロほど歩けば、JR奈良線と交差します。

路線図でルートをイメージできたら上級者(?)

山城大橋を渡り、さらに歩き続け。。。
着きました。JR奈良線山城青谷」駅。

まだまだ、元気
山を越えた先に「宇治田原」が

山城青谷駅前にある地図です。
家康一行がめざした宇治田原には、現在鉄道が通っていないため、ここからはできるだけ家康一行のルートから離れずに「伊賀越え」を続けます。
(ちなみに、滋賀県などが構想する「びわこ京阪奈線」が、京田辺から宇治田原を抜け信楽を経由して「伊賀越え」と重なりますので、将来、鉄道で「伊賀越え」をよりリアルに再現できるかもしれません。車なら新名神高速道路で再現できそうですね。)

さて、家康一行のルートから少し外れた私。

奈良線と言えば、やはり外すことができないのが205系(鉄道に興味のない方はスルーしてください)
いまや残り僅かな国鉄型車両です。
奈良線では少数派ながら、まだ走っているはず、、、
木津」駅で見かけることができました!

左が205系、しかも0番台!右の207系とは時代の差を感じます

というのも、JR奈良線で「木津」駅へ向かい、ここからでJR関西本線に乗り換えて東へと向かうためです。
「鉄道で伊賀越え」で家康一行にできるだけ近づけようとすると、このルートになります。
改めて、路線図で見ておきますと。

木津」駅は、奈良と大阪、京都、伊賀方面の乗換駅なのです。
ひと駅先の「加茂」駅からは、ディーゼルカーに乗り換え。

このまま進めば伊賀、さらには名古屋へとつながるJR関西本線
一気に乗り通せば「伊賀越え」達成ではありますが、
それではさすがにショートカットしすぎなので、、、
家康一行が滞在したという、近江国・小川城へ向かいます。
伊賀へ入る前、家康が意を決したという場所。ここに行かない訳にはいきません。

関西本線木津川橋梁(きょうりょう)

木津川の上流に沿って進む関西本線。
家康一行の進んだ経路は山中。その南側を並走していきます。
途中の「伊賀上野」駅には忍者がいっぱい! 
これは早くも「伊賀」に入ってしまったようです!

松尾芭蕉と忍者のまち

芭蕉の句も掲出されています。

次の目的地は「柘植」駅。ここで乗り換えます。

柘植」駅の手前では、関西本線の方が右からカーブを描き合流、草津線が直進しています。
明治23年に、草津線とこの先の名古屋方面を結ぶルートが先に開通したためで、かつてはあちらがメインルートでした。

あ、忍者! 関西本線に入ってから、かなりの忍者に遭遇してます。逃げろ!家康!

乗り換えもスリリング!

近江国・小川城へと向かうため、ここで一度関西本線を離れて、草津線に乗り換えます。
貴生川からは信楽高原鉄道に。
あ、ここにも忍者!

忍者列車SHINOBI-TRAINだ!

改めて、駅にも列車にも忍者だらけ!家康一行も気が気でなかったことでしょう。。。

信楽では大きなタヌキがお出迎え。

甲賀・伊賀は忍びの里 ねらってくるぞ

ようやく、小川城に到着です。
家康一行はここからがいよいよ「伊賀越え」ですが、「鉄道版・伊賀越え」の場合は、小川城へ至る滋賀県内が難所。京田辺から小川城への大まわりは、1日がかりでした。
(「三河まで逃げるなら、京都、草津経由の方が速い!」と思ったあなた! できるだけ家康一行のルートから離れないための選択なのです。。。)

後編は・・
いよいよ「伊賀越え」のクライマックス。
別井アナは「加太越え」に夢中(え?)

はたして伊賀越えの結果は…⁉ 後編に続く

  • 別井敬之

    NHK大津 アナウンサー

    別井敬之

    「NHKラジオ鉄道大博覧会」「東海道新幹線開業50周年・まるごと新幹線」「BS鉄道ファン倶楽部」「夢のSL記念館」「SL復活C571よ永遠に」など鉄道番組多数。時刻表検定取得。愛読書は時刻表(中型全国版)の"乗り鉄"。東海地方のJRは乗り尽くし完了。 2023年度からは大津局勤務。「おうみ発630」キャスター。

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