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愛知のタイル文化 “モザイク愛好家”“タイル博士”に聞く

  • 2024年01月29日

かつて名古屋の街でよく見かけた、タイルをふんだんに使った「モザイク壁画」。しかし、建物の老朽化を理由に建て替えが進み、その数は減ってきています。名古屋の「モザイク愛好家」、そして常滑の「タイル博士」を訪ね、タイルと愛知の深い関わりを取材しました。
(NHK名古屋リポーター 浦野莉恵)

新しい中日ビルに移設されるモザイク壁画

新たにオープンする中日ビル

この春装いも新たにオープンする中日ビル。その一角には、タイルなどで作られた壁画が飾られています。

実はこちら、旧ビルの天井にあった作品の一部を新しいビルに移設したものなんです。

旧中日ビルの天井に展示されていたモザイク壁画(2018年)

中部日本ビルディング 新中日ビル準備室 市村俊光 室長
「53年間皆さんを見下ろしていた天井をなんとかレガシー(遺産)ということで残せないかと考えていた。向こう50年60年こういう形で残っていけば良いと思います」

名古屋の街に残るモザイク壁画を探訪

かつて名古屋の街でよく見かけた、タイルをふんだんに使った「モザイク壁画」。しかし、栄のデパートなど、建物の老朽化を理由に建て替えが進み、その数は減ってきています。

今も街に残るタイルを使ったアートを楽しみたい!という人のために、モザイク壁画に詳しい森上千穂さんに、おすすめの場所を案内してもらいました。

“モザイク愛好家” 森上千穂さん

訪れたのは矢場町駅。

森上さん

私はこの馬の目のところがかわいいなって思うんです

浦野リポーター

本当だ。まつげがあるような

馬の目がかわいい感じ。石の並べ方によって何か分かるように表現する意図を持って並べられている。どの壁画も、どこに工夫されているんだろうと見るのも楽しい

タイルの歴史と愛知の深い関わり

ほかにも名古屋には、伏見駅や愛知県庁舎など、さまざまな場所に壁画が残っています。

常滑や瀬戸など焼き物の産地が近かったため、タイルを手に入れやすかったことがモザイク壁画が多い理由の1つだそうです。私たちの身近にあるタイル、実はその歴史には愛知県と深い関わりがありました。

INAXライブミュージアム(愛知 常滑)
浦野リポーター

「タイルの歴史について知りたい」ということで、タイル博士がいるこちらの博物館にやってきました

やってきたのは、常滑市でやきものやタイルを展示している博物館です。

「タイル博士」こと、学芸員の後藤泰男さん。愛知と関係する貴重なタイルを見せてもらいました。

”タイル博士”ことINAXライブミュージアム主任学芸員 後藤泰男さん

こちらは日本で最初の本格的なタイルと言われる「本業敷瓦(ほんぎょうしきがわら)」です。
明治時代から瀬戸市で作られ、和製タイルの先駆けとし水回りに使われました。

さらに、こちは帝国ホテル二代目本館に使われていた食堂の柱。

帝国ホテル二代目本館の食堂の柱

帝国ホテルの二代目本館は、建築家フランク・ロイド・ライトが設計した20世紀を代表する建物です。

帝国ホテル中央玄関(博物館明治村)

その柱には、常滑市の工場で作られたタイルが使われていたんです。

スクラッチタイル」と呼ばれるこのタイルは、職人がくぎを打った道具を使って手作業で作っていました。光の当たり方によって柔らかな陰影を生む風合いがあり、日本のトレンドになっていったそうです。

INAXライブミュージアム 主任学芸員  後藤泰男さん
「帝国ホテルがきっかけになって こういった表情のタイルが全国で使われていた。特に官公庁の庁舎や大学の建築に好んで使われたようです」

愛知県で100年以上前から作られてきたタイル。これからも形を変えながら、街に彩りを与えてくれます。

後藤泰男さん
「タイルに関する魅力は色あせないこと。街を歩いてタイルを見つけたときは、当時の人たちがどんな思いでタイルを使ったのか考えてみていただけるとうれしい」

タイル博士の後藤さんによると、モザイク壁画は日本の高度経済成長期に多く作られたといいます。
当時コンクリートの壁を華やかに装飾するパブリックアートの流行が理由の1つだそうです。

小さなタイル1枚1枚に多くの時間と職人の技が込められているので、改めて、注目してみたいと思います。

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