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「舞いあがれ」で短歌ブーム?俵万智さんが短歌を優しく解説

  • 2023年03月29日

朝ドラ「舞いあがれ!」で舞ちゃんや貴司くん、久留美ちゃんへの投稿が話題になっている俵万智さん。
SNSを中心に若者たちに広がる現代短歌ブームのなか、「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演した歌人・俵万智さんが若者の短歌を優しく解説します。

歌人・俵万智さんが選者をつとめ、宮崎の「わけもん(若者)」の瑞々しい短歌を紹介する「俵万智のわけもん短歌」。

3月のテーマは「卒業」です。このテーマにちなんだ短歌の優秀作品を俵万智さんが解説していきます。

俵万智さん

今回「卒業」というテーマだったので、皆さん身近な学校の卒業を詠んだ人が多かったんですけど、この歌は自分自身の、幼い自分からの卒業というのがテーマになっているのではないかなと思いました。
テーマの解釈はいろいろとありますが、こんな風に「卒業」を一般的な意味では無いように捉えるのも工夫の一つだと思います。

俵万智さん

枕元に幼いころ、たくさん色とりどりのぬいぐるみを作者は並べていたんでしょうね。寝る前の友達というような感じでしょうか。
そのぬいぐるみたちが一つまた一つと消えていく、幼かった自分もそういうものとだんだん遊ばなくなっていく、精神的な成長という意味で「卒業」としています。
一方で、少しずつ、いなくなるぬいぐるみたちも「あー私も卒業していくんだなー」という見送るような気持ちも感じられて、味わい深い人生の1つの局面を切り取った歌だなと思います。

続いて、テーマの縛りのない自由詠の優秀作品はこちらです。

俵万智さん

思春期ならではの物思いをこの31文字にぶつけてくれた、そういう一首だなと思いました。
思春期と言いましたけれども『本当の 意味での自由 とは何か』この上の句に答えられる大人もなかなかいないのではないでしょうか?
自由と言っても様々な自由がありますし、それが目先の意味なのか、本当の意味なのか、難しいところだと思います。

俵万智さん

さらにいいなと思うのはこの下の句ですね。分からないと諦めるのではなくて『分からなくなる ような毎日』ともがいている感じが伝わってきます。
その伝わり方の効果の1つとして「句またがり」が使われているんですね。
7音と7音の切れ目で『ような』のところがまたがっている。
そこでクッと力が入ることで、自分のもがいている感じがリズムのうえでも読者に伝わる一首になっています。
作者が真剣にもがいていることが伝わるだけに、この上の句の問いというのが、読者にも考えさせるような一首ではないでしょうか?

番組では、宮崎県在住の10代の皆さんからの作品を募集しています。
応募方法など詳しくは、NHK宮崎のホームページをご覧ください。ご参加お待ちしています。https://www.nhk.or.jp/miyazaki/tanka/index.html

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