俵万智さんが短歌を解説！「舞いあがれ」貴司への投句が話題

最近「推し」という言葉をよく耳にします。アイドルとか俳優さんを応援するという意味ですけれども、この句も写真か何かを見ていて、『何番目の人が推し？』みたいな会話をしたという感じだと思いました。上の句で『2番目が推しだよ』と答えましたが、本当は『どれが推し？』と聞いてくれた「あなた」が「一番の推し」だったという少し切ないような心の歌だと思いました。

この歌が面白いのは最初の「2」が算用数字で表現されていて、「一番」が漢数字になっています。だから「一番」は数字の1や2ではなく、単なる番号ではなくて、最上位という意味の「一」なんだと思います。その辺りの違いを数字と漢数字で表現しているところも見どころかなと思いました。

社会人になるとこんな風にクリスマスを過ごすのか？という高校生らしい憧れもあると思います。その一方でとてもよく観察しているなと感心しました。社会人がクリスマスにレストランへ行く。それだけならありがちなんですが、花束を持って「小走り」というところが素晴らしいですね。ちょっといそいそしている感じとか、小物の感じっていうんですかね、そういう感じが出ていて、丁寧な観察がとてもうまくいっている歌だなと思いました。