「舞いあがれ」でも話題!俵万智さんが短歌をわかりやすく解説
- 2023年02月22日
歌人・俵万智さんが選者をつとめ、宮崎の「わけもん(若者)」の瑞々しい短歌を紹介する「俵万智のわけもん短歌」。
2月のテーマは数字の「2」です。このテーマにちなんだ短歌の優秀作品を解説していきます。
この歌は「二次会」「二人」「深夜二時」「二番煎じ」という風にテーマの「2」という数字を4つも重ねています。おそらくこれはお題から着想したフィクションだよという合図なんだと私は受け取りました。
この歌の面白いところは、「2」を重ねているところもそうですが、そのなかでも特に「二番煎じ」という言い方が面白いですね。二人で抜け出すときの言葉として、格好いい言葉を言えたら良かったんだけど、ありきたりな言葉しか言えなかったという後悔の念というか、格好よくなりきれない自分を客観視しているところがとてもいいなと思いました。
続いて、テーマの縛りのない自由詠の優秀作品はこちらです。
この歌は「くもり空」から始まって「にじ色になる」という言葉で終わっています。その間をとても丁寧に描写しているところがいいなと思いました。「くもり」から始まって「雪がしんしん」ふりそそぐ、雪の成分が「夕日」に照らされて光があたることでキラキラと「にじ色」に光って見える。という形で着地しています。
先ほどの二次会の歌とは対照的にとても丁寧に一つの時間のなかでの、空や雪、気象の変化を描写しています。これもとても大切な短歌の作り方ではないかなと思いました。
毎週月曜日にお送りしている「俵万智のわけもん短歌」のコーナーでは、宮崎県在住の10代の皆さんからの作品を募集しています。
応募方法など詳しくは、NHK宮崎のホームページをご覧ください。ご参加お待ちしています。https://www.nhk.or.jp/miyazaki/tanka/index.html