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「プロフェッショナル仕事の流儀」歌人・俵万智さんが短歌解説

  • 2023年02月27日

今夜、2月27日(月)午後10時からの「プロフェッショナル 仕事の流儀」は歌人・俵万智さん!
朝ドラ「舞いあがれ!」で舞ちゃんや貴司くんへの投稿も話題になっている俵万智さんが短歌を優しく解説します。

歌人・俵万智さんが選者をつとめ、宮崎の「わけもん(若者)」の瑞々しい短歌を紹介する「俵万智のわけもん短歌」。

2月のテーマは数字の「2」です。このテーマにちなんだ短歌の優秀作品を解説していきます。

俵万智さん

短歌というのは「初句」(詩や文章のいちばんはじめの句)がとても大事です。この歌は歯が抜けたという始まりで『大丈夫?』と思ってしまうとても印象的な始まりとなっています。
さらに「続けて二本」と続くことで『さらに二本?』、そして「ぽろぽろと」という描写が入ることでテンポよく読む人の心をグッとひきつける力に優れているなと感じました。

俵万智さん

一転して下の句では「歯のすき間から 白い息出る」とちょっと情けない感じ、歯が抜けたときって少し間抜けな顔になってしまうと思いますが、そういった感じが目に浮かぶような下の句も面白いなと思いました。

続いて、テーマの縛りのない自由詠の優秀作品はこちらです。

俵万智さん

みなさん、ツナ缶を開けた経験があると思いますが、クルッと缶をむくような感じで開けたそのツナ缶を思い浮かべてください。作者はその様子を捉えて、上の句を読んでいます。つまり「ふた」が船の帆のようだという風に見立てているんですね。

俵万智さん

下の句で「ツナ缶号」と読むことで、それが船だということが的確に伝わりますし、「還る」という漢字にも注目してもらいたいですね。『根源的なところへ戻る』というイメージを持つ感じですが、つまり「ツナ缶」というのは『マグロ』。海でとらえられた『マグロ』がこうして今は「ツナ缶」になっているけれども「ツナ缶号」は風を受けて海へ戻るんだという非常に大きな想像力を働かせて、素晴らしい歌だなと思いました。

番組では、宮崎県在住の10代の皆さんからの作品を募集しています。
応募方法など詳しくは、NHK宮崎のホームページをご覧ください。ご参加お待ちしています。https://www.nhk.or.jp/miyazaki/tanka/index.html

プロフェッショナル 仕事の流儀

「平凡な日常は、油断ならない 〜歌人・俵万智〜」
初回放送日: 2023年2月27日 午後10:00から

奈良時代から読み継がれてきた短歌の歴史に革命をもたらした歌人・俵万智(60)。280万部のミリオンセラー『サラダ記念日』や『チョコレート革命』。その歌は今なお多くの人を魅了する。俵万智とは何者なのか?これまで一切私生活を明かしてこなかった歌人との日々が始まった。40年ぶりに挑む50首の新作。老いへのまなざしや60歳の恋愛論。平凡な日常の中にある、きらめきの見つけ方。言葉に生きる女性の物語。

番組ホームページはこちら
https://www.nhk.jp/p/professional/ts/8X88ZVMGV5/episode/te/2ZJGNM8WLN/

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